ドローンを安全かつ合法に飛ばすために必要な「DIPS(ドローン情報基盤システム)」。本記事では、DIPS2.0でのアカウント開設から飛行申請手順までを初心者向けに解説します。あわせて、一部の特定飛行で事前申請が免除される「国家資格の活用」についても解説します。
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この記事でわかること
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目次
1-2. 旧システムからの統合による利便性向上(DIPS2.0)
1-4. DIPS申請が不要なケース(100g未満・屋内飛行)
1. DIPS(ドローン情報基盤システム)2.0とは?

1-1. DIPSが必要な法的背景と100g以上の登録義務
ドローンを飛行させる際、日本の航空法や関連法規に基づき、国土交通省に対して様々な手続きを行う必要があります。その手続きをオンライン上で一元的に管理・実行できるように構築されたのが「DIPS(Drone/UAS Information Platform System:ドローン情報基盤システム)」です。
2015年の航空法改正により、人口集中地区(DID)の上空や、夜間飛行、目視外飛行などの飛行を行う場合には、国土交通省(地方航空局)の許可・承認が必要となりました。なお、「特定飛行」という用語や100g以上を規制対象とする現行の基準は、2022年6月施行の改正航空法により整備されたものです。この許可・承認の申請を、インターネット経由で効率的に処理するためにDIPSが導入されています。
1-2. 旧システムからの統合による利便性向上(DIPS2.0)
2022年12月5日より、システムが「DIPS2.0」としてリニューアルされました。以前は、飛行許可・承認申請を行う「DIPS」、機体登録を行う「DRS」、飛行計画の通報を行う「FISS」の3つが独立しており、ユーザーは複数のシステムに別々のアカウントを作成する必要がありました。
DIPS2.0ではこれらの機能が統合され、1つのアカウントで「機体登録」「操縦者情報の登録」「飛行許可・承認申請」「飛行計画の通報」「事故等の報告」のすべてが完結します。なお、旧システムのアカウント情報の引き継ぎ可否はシステムや登録状況によって異なります。旧DIPSのIDとパスワードでそのままDIPS2.0にログインできる場合もありますが、旧DRS・FISSのアカウントとの紐付けが別途必要になるケースもあります。過去に利用していた方は、DIPS2.0のポータルサイトで自身のアカウント状況を確認し、必要に応じて移行手続きを行ってください。
1-3. DIPS2.0でできること一覧(主な12の機能)
旧システムから統合されたDIPS2.0では、ドローンに関するあらゆる手続きがワンストップで行えるようになりました。具体的に利用できる主な機能は、用途別に分けると以下の12項目に網羅されます。
【1. 機体や操縦者の「登録・管理」】
① 機体登録
② リモートIDの管理
③ 操縦者情報の管理
④ ドローンの所有権移転手続き
【2. 飛行前の「申請・確認」】
⑤ 飛行許可・承認申請
⑥ 飛行計画の通報
⑦ 地域ごとの飛行制限情報の確認
⑧ 申請の進捗確認
⑨ 自動審査機能(※一部の軽微な申請を自動で即時処理)
【3. 飛行後の「記録・報告」】
⑩ 飛行実績の記録
⑪ 事故やトラブル発生時の報告
⑫ 国土交通省とのデータ連携
これらすべての手続きが1つのシステムで完結するため、ドローンユーザーにとって利便性が大きく向上しています。
1-4. DIPS申請が不要なケース(100g未満・屋内飛行)
すべてのドローンにDIPSの申請が必要なわけではありません。以下のケースは航空法の規制対象外となるため、DIPSでの飛行申請や機体登録は不要です。
- 重量100g未満の機体(いわゆるトイドローン)
- 四方と上部が壁やネットで囲われた屋内空間での飛行
上記以外の100g以上のドローンを屋外で飛ばす場合は、DIPSでの手続きが必要です。
関連記事:登録不要!100g未満ドローンのメリット・デメリットと法律・規制を徹底解説
2. 申請前に必須!DIPS2.0の事前準備3ステップ

DIPS2.0で飛行申請を行う前に、以下の3つの事前準備を完了させる必要があります。事前準備を完了しないと申請画面に進めません。
2-1. アカウント開設(必要な本人確認書類について)
最初のステップは、DIPS2.0ポータルサイトでのアカウント開設です。開設には以下のいずれかを用いた本人確認が求められます。
- マイナンバーカード(個人の場合)
- gBizID(企業・個人事業主の場合)
- 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
マイナンバーカードやgBizIDを使用した電子認証であれば、郵送での書類確認が不要となり、その場でアカウントが発行されます。
2-2. 機体の登録(登録手数料とリモートIDについて)
アカウントが開設できたら、次に所有するドローンの「機体登録」を行います。未登録の機体(100g以上)を屋外で飛行させることは航空法違反であり、罰則の対象となります。
DIPS2.0のメニューから「機体登録」を選択し、メーカー名、機体の型式、製造番号を入力します。その後、クレジットカードで登録手数料を納付します。マイナンバーカードを用いたオンライン申請であれば1機あたり900円、それ以外の方法では1,450円〜2,400円程度です。
納付後、発行される「登録記号」を機体にシールなどで表示するとともに、機体に搭載されている「リモートID」機器へ情報を電子的に書き込む作業が必要です。なお、機体によってはリモートIDが内蔵されていない場合もあり、その際は外付けモジュールの取り付けが必要です。
関連記事:【初心者でも安心】ドローンのリモートIDとは?登録義務から免除の条件、具体的なやり方まで完全ガイド
2-3. 操縦者情報(資格・技能証明)の登録
機体登録と並行して、「操縦者情報」の登録も行います。ドローンを操縦する人の氏名や住所のほか、保有している民間資格を登録します。なお、国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は、技能証明情報がシステムと連携されるため、通常は利用者が個別に登録する必要はありません。
操縦者情報に資格情報を適切に登録・連携しておくことで、飛行許可・承認申請時の操縦者情報の確認が円滑に行えます。 民間資格を保有している場合は、飛行申請を円滑に行うため、資格情報の登録漏れがないよう確認してください。
3. DIPS2.0 飛行許可・承認申請の手順

事前準備が完了したら、飛行申請に進みます。以下の手順に沿って進めます。
3-1. 新規申請画面へのログインと飛行目的の設定
DIPS2.0にログイン後、メインメニューから「飛行許可・承認の申請」>「新規申請」をクリックします。最初に問われるのは「申請の目的」と「飛行の目的」です。業務利用(空撮、測量、点検)なのか、趣味としての飛行なのかを正確に選択します。次に、どのような飛行を行うか(DID上空、夜間、目視外)のチェックボックスにチェックを入れます。
3-2. 飛行日時・経路・地図範囲の正確な入力
特定の場所・経路で飛行する場合は、いつ、どこで飛ばすのかを指定します。個別のスポットで飛ばす場合、DIPS2.0に内蔵されている地図画面を開き、飛行させるエリアをポリゴン(多角形)や円で囲んで指定します。日時の指定については、天候不良による延期を見越して、実際に飛行する予定日の前後を含めた期間(最大1年間)で申請するのが一般的です。
3-3. 機体・操縦者・マニュアルの紐付けと提出
登録済みの「機体」と「操縦者」の情報を、今回の申請に紐付けます。また、安全に飛行させるための「飛行マニュアル」を添付します。国土交通省が用意している「航空局標準マニュアル」を使用する場合は、システム上で「標準マニュアルを使用する」を選択するだけで済みます。
3-4. 要注意!審査で差し戻しになりやすいポイント
申請後、不備があると審査担当者から差し戻し(修正依頼)を受けます。初心者が陥りやすいミスは以下の通りです。
地図の範囲が広すぎる: 明確な理由なく広範囲を指定すると、安全管理の観点から修正を求められます。実際の飛行範囲に絞って指定してください。
標準マニュアルの条件を満たしていない: 標準マニュアルには飛行条件に関するルールが定められており、例えば風速については「使用する機体の製造者が定める性能の範囲内で飛行させること」が基本となっています(2025年3月31日改訂)。特殊な飛行環境や機体の性能上、標準マニュアルの条件を満たせない場合は、独自マニュアルの作成が必要です。申請前に最新の標準マニュアルの内容を必ず確認してください。
通常、審査には10開庁日(約2週間)程度かかるため、差し戻しの時間も考慮して余裕を持ったスケジュールで申請してください。
4. 業務利用なら必須知識「包括申請」と「個別申請」

ドローンをビジネスで活用する場合、毎回DIPSで申請手続きを行うのは非効率です。そこで重要になるのが「包括申請」と「個別申請」の使い分けです。
4-1. 都度申請を省ける「包括申請」のメリット
包括申請とは、「同一の申請者(個人・法人)」が「一定の期間(最長1年間)」および「一定の範囲(日本全国)」において、反復継続して特定の飛行を行う場合に認められる申請方法です。
「日本全国」を対象とし、「1年間」の期間で「人口集中地区(DID)の上空」「人や物件から30m未満」の許可をまとめて取得しておきます。一度許可が下りれば、その期間内は都度申請せずに、事前の「飛行計画の通報」のみで飛行でき、業務効率が大幅に向上します。
関連記事:ドローン包括申請のメリット・流れ・注意点を解説【代理申請も可能】
4-2. 特定条件下で必須となる「個別申請」とは
一方で、包括申請ではカバーしきれないリスクの高い飛行形態については、その都度「個別申請」を行う必要があります。
具体的には、「イベント(催し物)上空での飛行」「空港周辺の空域」「高度150m以上の空域」「重量25kg以上の機体の飛行」が該当します。これらを実施する場合は、飛行する日時と場所を厳密に指定し、安全対策を詳細に記載した独自マニュアルを添付して申請しなければなりません。基本は包括申請でカバーしつつ、必要な時だけ個別申請を追加で行う運用が求められます。
5. 国家資格の取得で一部の飛行申請が免除される仕組み

DIPSでの飛行申請には、有効期限ごとの更新手続きやマニュアル遵守が伴います。国家資格を取得すると、一部の特定飛行で事前申請が不要になり、手続きの負担を軽減できます。
5-1. 国家資格(二等以上)取得による申請免除の特例
「二等無人航空機操縦士」または「一等無人航空機操縦士」の国家資格(技能証明)を有し、かつ国土交通省の機体認証(第二種以上)を受けた機体を使用する場合、以下の特例が適用されます。
なお、「型式認証」はメーカーが機体の設計・製造基準について取得するものであり、ユーザーが直接取得するものではありません。型式認証を受けた機体は機体認証の一部検査が省略されますが、申請免除を受けるためには「技能証明(二等以上)」と「機体認証(第二種以上)」の両方を満たす必要があります。
これまで事前の許可・承認が必要だった一部の特定飛行(人口集中地区上空、夜間飛行、目視外飛行、人・物件から30m未満の飛行)において、DIPSでの事前申請が免除されます。ただし、申請が免除された場合でも、飛行前に「飛行計画の通報」をDIPSで行う必要があります。
関連記事:ドローンの「飛行カテゴリー」とは?初心者にもわかる法律と申請手続きの方法
5-2. 申請免除が業務にもたらす具体的な利点
事前申請の免除は、ドローンを業務で活用する際の大きな利点です。急な空撮依頼や点検業務が入った際でも、事前の申請・審査(約2週間)を経ずに、速やかに現場で飛行を開始できます。なお、飛行計画の通報は引き続き必要です。申請手続きの頻度を減らし、急な案件にも対応したい場合は、国家資格の取得と機体認証の取得が有効な選択肢です。
6. 資格取得後のサポートが充実したスクール選びを

6-1. 法改正への対応と継続的な技術維持の重要性
国家資格の取得を目指す際、スクール選びは「資格取得後」の運用を見据えて行うことが重要です。ドローンに関する法律やDIPSのシステム仕様は頻繁にアップデートされます。また、操縦技術は定期的に飛ばさなければ低下します。そのため、卒業生に対して機体の無料貸し出しや定期的な操縦訓練の場を提供し、最新の法改正情報を共有してくれるアフターフォロー体制を持つスクールを選ぶことをお勧めします。
まとめ
DIPS2.0での機体登録や飛行申請は、ドローンを安全・合法に運用するための基本です。さらに業務利用を本格化させるなら、一部の特定飛行で事前申請が免除される「国家資格」と「機体認証」の取得が非常に有効な選択肢となります。
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