【初心者でも安心】ドローンのリモートIDとは?登録義務から免除の条件、具体的なやり方まで完全ガイド

国家資格 ドローンスクール ドローンマスターズスクール ドローン登録

100g以上のドローン所有者必見!リモートID制度の基本から、DIPSへの登録方法、おすすめの外付け機器まで、初心者に分かりやすく解説。この記事を通じて、リモートIDに関する疑問の解消を目指します。

  1. そもそもドローンの「リモートID」とは?車のナンバープレートと同じです!
  2. 私のドローンは対象?リモートIDの登録義務があるかチェックしよう

2-1. 原則「100g以上」の全機体が対象

2-2.【要注意】リモートID搭載が「免除」される例外ケース

  1. 【3ステップで完了】リモートIDの登録から設定までの全手順

3-1. ステップ1:DIPSでアカウント作成と機体登録

3-2. ステップ2:リモートID機器の準備(内蔵型か外付け型か)

3-3. ステップ3:IDの書き込みと設定

  1. リモートIDだけじゃない!ドローンを安全に楽しむための「次の一歩」

4-1. なぜ「国家資格」がキャリアの武器になるのか?

4-2. 独学の限界とスクールの価値

まとめ

1. そもそもドローンの「リモートID」とは?車のナンバープレートと同じです!

一言でいうと、リモートIDは「空飛ぶドローンのためのナンバープレート」のようなものです。地上を走る車にナンバープレートが必須なのと同じで、どのドローンがどこを飛んでいるのかを識別できるようにするための仕組み、と考えてみましょう。

具体的には、あなたのドローンから識別情報(登録記号など)を電波で発信し、専用の受信機を持つ人がいれば、そのドローンが誰のもので、許可を得て飛んでいるのかを確認できるようになります。これにより、万が一の事故やトラブルの際に所有者を特定しやすくなり、空の安全性の向上に繋がります。

この制度は、ドローンの利用が急速に広がる中で、より安全な環境を整備するために国土交通省によって導入されました。※1特に、測量やインフラ点検、物流といった業務利用が拡大するにつれて、空の交通整理の必要性が高まってきた、という背景があります。

2. 私のドローンは対象?リモートIDの登録義務があるかチェックしよう

制度の概要を把握した上で、次に確認すべきは「自身の業務用機体が登録義務の対象か」という点です。コンプライアンスを遵守し、事業リスクを回避するためにも、ここで対象範囲を正確に確認していきましょう。

2-1. 原則「100g以上」の全機体が対象

機体本体とバッテリーの合計重量が100g以上の全てのドローン・無人航空機がリモートID搭載の義務対象となります。

あなたが業務で使っているDJI社のMavicシリーズやPhantomシリーズ、Matriceシリーズなどは、ほぼ全てこの条件に該当します。趣味で使う小型のドローンであっても、100gを超えていれば対象です。逆に、100g未満の、いわゆる「トイドローン」は現在のところ義務の対象外です。

この義務を怠ってリモートIDを搭載せずに飛行させた場合、航空法違反となり、最大で50万円の罰金が科される可能性があります。業務で利用する上で、このようなリスクは避けるべきです。

2-2.【要注意】リモートID搭載が「免除」される例外ケース

原則として100g以上の機体は全て対象ですが、いくつかの例外ケースも存在します。ただし、業務利用を考える上では、これらの例外に頼ることは現実的ではないかもしれません。

  1. 事前登録期間に登録済みの機体: 2022年6月19日までにドローン情報基盤システム(DIPS)に登録された機体は、経過措置としてリモートIDの搭載が免除されていました。この機体を登録更新する際には、リモートIDの搭載の免除が継続されます。
  2. 係留飛行: ドローンを30m以下の長さの丈夫な紐などで係留して飛行させる場合。
  3. 特定区域での飛行: リモートID特定区域として届け出を行い、管理団体が区域を管理し、監視人や区域の表示などの安全措置を講じる場合。

業務飛行で常に係留したり、毎回特定区域の届け出を行ったりするのは非効率的です。そのため、今後業務でドローンを本格的に活用する場合は、「100g以上の機体ではリモートID対応が必須」と認識しておくと安心です。※2

 

3. 【3ステップで完了】リモートIDの登録から設定までの全手順

ここからは、あなたが今日から始められる具体的なアクションを、3つのステップに分けて解説します。

3-1. ステップ1:DIPSでアカウント作成と機体登録

最初に行うのが、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS)2.0」での手続きです。これが全ての基本となります。

  1. アカウント作成: DIPS 2.0の公式サイトにアクセスし、「個人の方」または「企業・団体の方」を選んでアカウントを開設します。マイナンバーカードを利用すると、本人確認がスムーズに進みます。
  2. 所有者情報・使用者情報の登録: 画面の指示に従い、あなたの氏名・住所や、会社名・所在地などを正確に入力します。
  3. 機体情報の登録: ここで、お持ちのドローンの情報を入力します。
    • 製造者名(例: DJI)
    • 型式名(例: Mavic 3 Pro)
    • 製造番号(機体本体に記載されています)
  4. リモートID情報の登録: 機体情報登録の流れの中で、リモートIDに関する項目が出てきます。ここで、お持ちの機体が「リモートID内蔵型」か、それとも「リモートID外付け型」を取り付ける必要があるのかを選択・入力します。

このプロセスは、DIPSの操作マニュアル※3.4に非常に詳しく記載されています。もし途中で分からなくなったら、慌てずにマニュアルを確認しながら進めましょう。

3-2. ステップ2:リモートID機器の準備(内蔵型か外付け型か)

DIPSでの手続きと並行して、物理的な「リモートID機器」を準備します。あなたのドローンがどちらのタイプか確認しましょう。

リモートID内蔵型の場合

比較的新しいモデルのドローン(例: DJI Mini 3以降、Mavic 3シリーズなど)は、多くが工場出荷時からリモートID機能を内蔵しています。この場合、新たに機器を購入する必要はありません。ステップ3で解説する「IDの書き込み」作業に進んでください。

外付け型リモートIDが必要な場合

少し前のモデル(例: DJI Mavic 2 Pro/Zoom, Phantom 4 Pro V2.0など)や、自作ドローンなどは、リモートID機能を内蔵していません。この場合は、外付け型のリモートID機器を別途購入し、機体に取り付ける必要があります。

選ぶ際のポイントは以下の通りです。※5

  • 技適マークの有無: 日本国内で適法に電波を発するための「技術基準適合証明」を受けている製品を選びましょう。
  • 重量とサイズ: 機体の飛行性能に影響が少ない、軽量・コンパクトなものが理想です。
  • バッテリー: 内蔵バッテリーの駆動時間も確認しておきましょう。
  • 価格: 2025年現在、多くの製品が1万円台前半で販売されています。

3-3. ステップ3:IDの書き込みと設定

最後の仕上げです。DIPSで発行された登録記号を、あなたの機体に紐付けます。

リモートID内蔵型の場合

多くの場合、ドローンの操縦に使う公式アプリ(例: DJI Flyアプリ)から設定します。

  1. アプリを起動し、機体とプロポ(送信機)を接続します。
  2. アプリの「安全」メニュー内に、リモートIDに関する設定項目「無人航空機システムリモートID」があります。
  3. インポートをタップすると、国土交通省航空局にログインする画面に遷移します。接続している機体のSN(シリアルナンバー=製造番号)が自動的に表示されますので、「ログイン」をタップします。
  4. DIPSのログインIDとパスワードを入力し、「同意して連携」をタップします。
  5. DIPSの情報と機体情報が連携されることで、機体にリモートIDが書込み(インポート)されます。
  6. 「インポートしました」と表示されたらアプリの「安全」メニュー内にある「無人航空機システムリモートID」の項目に「インポート済」と表示されていればOKです。
  7. 手続きが無事に完了すると国土交通省航空局から、リモートID情報登録完了のお知らせメールが届きます。

これで、飛行時に機体からリモートID情報が発信されるようになります。

リモートID外付け型の場合

外付け機器の場合は、スマートフォン用の専用アプリを使って設定するのが一般的です。

  1. 購入した外付けリモートID機器のメーカーが提供する専用アプリを、スマホにインストールします。
  2. アプリを起動し、BluetoothなどでリモートID機器と接続します。
  3. アプリの指示に従い、DIPSで発行された登録記号を入力し、機器に書き込みます。

書き込みが完了した機器をドローンに取り付け、電源を入れれば準備完了です。機体への登録記号の表示も忘れずに行いましょう。文字の大きさは、機体が25kg未満の場合は3mm以上、25kg以上の場合は25mm以上となります。

4. リモートIDだけじゃない!ドローンを安全に楽しむための「次の一歩」

お疲れ様でした!これで、あなたのドローンはリモートIDに完全対応し、法規を遵守した上で、安心して業務飛行に臨むことができます。

しかし、ここで満足してしまうのは少し早いかもしれません。リモートID対応は、いわば「スタートラインに立つための準備運動」です。あなたがドローンを使ってビジネスを加速させ、他者との差別化を図るためには、もう一歩踏み込んだスキルと知識が不可欠になります。

4-1. なぜ「国家資格」がキャリアの武器になるのか?

2022年12月から、ドローンの操縦ライセンスは「国家資格」となりました。これには一等と二等の資格があります。なぜ今、多くのビジネスパーソンや学生がこの国家資格を目指すのでしょうか?現場での経験から言える、その理由は3つあります。

  1. 飛行許可申請の手間が大幅に減る: 国家資格(特に二等以上)を取得すると、これまで飛行のたびに必要だったDIPSでの許可・承認申請の一部が不要になります。これにより、急な撮影依頼や点検業務にもスピーディに対応でき、ビジネスチャンスを逃しません。これは業務効率化において計り知れないメリットです。
  2. クライアントからの信頼性向上に繋がります: 「国が認めた技能証明を持つプロフェッショナル」であることは、クライアントに対する何よりの信頼の証となります。コンペや提案の場で、「当社は国家資格保有者が責任を持って飛行させます」と一言添えるだけで、あなたの提案の説得力は大きく変わるでしょう。
  3. 仕事の幅が広がり、キャリアアップに繋がる: 特に一等資格を取得すれば、これまで原則禁止されていた「レベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)」が可能になります。これにより、都市部での物流やインフラ点検など、ドローンビジネスの最前線で活躍する道が開けます。あなたのキャリアにとって、大きな武器となるはずです。

4-2. 独学の限界とスクールの価値

リモートIDの設定はマニュアルを読めば一人でも可能ですが、安全運航技術やリスク管理、気象学、関連法規といった体系的な知識を独学で習得するには限界があります。

ドローンスクールでは、経験豊富な講師から直接、以下のような実践的なスキルを学ぶことができます。

  • 体系的な知識: 法律、機体の仕組み、電波の知識などを網羅的に学べます。
  • 高度な操縦技術: 非GPS環境での操縦や、緊急時の対応など、現場で本当に役立つ技術を安全な環境で訓練できます。
  • リスクアセスメント: 飛行計画の立て方や、現場での危険予知能力を養います。
  • 同じ志を持つ仲間との出会い: 異業種の受講生との交流は、新たなビジネスのヒントや将来の協業に繋がる貴重な財産となります。

もしあなたが、ドローンを単なる「道具」として使うだけでなく、「自身の専門性」としてキャリアに活かしていきたいと本気で考えるなら、ドローンスクールへの投資は、あなたの未来を切り拓く最も確実で効果的な自己投資となるでしょう。

まとめ

本記事では、リモートIDの基本から具体的な登録手順、そしてキャリアを見据えた次のステップまでを解説しました。要点は、100g以上の機体は対応必須であり、DIPSでの登録とIDの書き込みや登録記号の表示が必要だということです。まずはこの記事を参考に、確実に対応を済ませましょう。そして、その先のキャリアを見据え、国家資格という新たな武器を手に入れることも、ぜひ検討してみてください。

ドローンマスターズスクールの詳細

■ドローンマスターズスクールの特徴や国家資格制度について、さらに詳しく知りたい方は当スクールの「無料説明会(ドローンセミナー)」に是非ご参加下さい!


ドローンマスターズスクール一覧

DMS茨城つくば校
DMS茨城笠間校
DMS埼玉浦和校
DMS栃木宇都宮校
DMS東京足立校
DMS千葉野田校(農薬散布ドローン専門)
DMS東京秋葉原校

参照・引用元一覧

  1. 航空:無人航空機の登録制度 - 国土交通省 - (https://www.mlit.go.jp/koku/koku_ua_registration.html) - リモートID制度の公式な概要と目的を把握するために参照。
  2. ドローン登録システム Q&A - 国土交通省 - (https://www.dips-reg.mlit.go.jp/contents/drs/question.html) - 登録義務の対象や免除条件など、細かな疑問点を確認するために参照。
  3. ドローン情報基盤システム2.0 利用ガイド/マニュアル - 国土交通省 - (https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/manual/) - DIPSでの具体的な登録手順と公式マニュアルの所在を確認するために参照。
  4. 機体の新規登録マニュアル - 国土交通省 (https://www.dips-reg.mlit.go.jp/contents/drs/preview/DIPS-REG-Manual_Ja_Owner_Registration-UA.pdf)
  5. 適合しているとして届出があったリモートID機器等の一覧 - 国土交通省 - (https://www.mlit.go.jp/koku/content/001484158.pdf) - 国が認可した外付けリモートID機器の公式リストとして参照。



この記事を書いた人

中山 慶一 中山 慶一

ドローンマスターズスクール運営元 株式会社モビリティテクノ ドローン事業部統括部長 2017年からドローン業務に従事し外注案件及び新規スクールの開校を手掛けています。