ドローンの操縦技能を証明する民間資格に加え、2022年12月に国家資格制度が始まりました。2025年には民間資格の優遇措置の廃止など、民間資格の価値や将来性について疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、制度の変更点を踏まえ、各資格の位置づけと今後の展望を詳しく解説します。
3-1. ケースA:まずはドローンの基礎を固め、可能性を探りたいあなた
4-1. 誤解1:「資格がないと、ドローンは一切飛ばせない」は本当?
4-2. 誤解2:「国家資格がないと、仕事で使えなくなる」は本当?
4-3. 誤解3:「2025年以降、民間資格は完全に無意味になる」は本当?
5-3. ポイント3:卒業後の「サポート体制」が万全であること
1. 【重要】2025年12月〜 ドローンの制度がこう変わる!
ドローンを取り巻く環境は、今、大きな転換期を迎えています。特に、あなたのキャリアプランに大きく影響する重要な制度変更が、2025年12月に予定されています。
まずは「何が、どう変わるのか」を正確に理解することから始めましょう。
1-1. 結論:民間資格での「申請簡略化」が終了する
現在、多くのドローンスクールが発行している「民間資格」を持っていると、国土交通省へ飛行許可を申請する際に、手続きの一部が簡略化されるという大きなメリットがあります。
しかし、2025年12月5日以降、この簡略化措置が廃止されます。
これは、2022年12月にスタートした「国家資格」制度へ、国が本格的に舵を切ったことを意味します。※1今後は、公的な技能証明は国家資格が主流となり、飛行許可申請時の優遇措置も国家資格保有者に一本化されていく方針です。
「じゃあ、やっぱり民間資格はもう意味がないの?」と感じるかもしれませんが、そう判断するのは早計です。この変更の本質を理解することこそが、賢く資格取得を進めるための第一歩です。
1-2. なぜ変わるのか?背景にある「レベル4飛行」の実現
この制度変更の背景には、ドローンの活用レベルを一段階引き上げる「レベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」の実現があります。これは、都市部でのドローン配送や警備、災害時の迅速な状況確認など、ドローンが社会インフラとして機能するために不可欠な飛行形態です。
このような高度な飛行を実現するためには、操縦者の技能レベルを国が一元的に管理し、高い安全基準を確保する必要があります。そこで創設されたのが、国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」なのです。
制度変更は、民間資格を排除するためではなく、より安全で高度なドローン活用社会を築くための、いわば「交通整理」と捉えることができます。そして、この交通整理の本質を理解すれば、民間資格が持つ「新たな価値」が見えてきます。
2. 【結論】それでも民間資格が無駄にならない3つの理由
制度変更のポイントがわかったところで、本題に入りましょう。なぜ、今から民間資格を取ることが「無駄」にならないのでしょうか。むしろ、業務活用を目指すあなたにとっては、戦略的な一手となり得ます。その理由は、大きく3つあります。
2-1. 理由1:国家資格への「ファストパス」になる
国が認定した「登録講習機関」が発行する修了証明を持っていれば経験者となるため、国家資格講習を受講する際に、経験者講習が受講できます。
国家資格の取得方法は、大きく分けて2つあります。
- 一発試験: 自動車免許のように、直接、国の指定試験機関で学科・実地試験を受ける方法。
- 登録講習機関で学ぶ: 国に登録されたドローンスクールで講習を受け、修了審査に合格する方法。※2
現場での経験から言えば、十分な練習を積まずに「一発試験」に合格するのは至難の業です。多くのビジネスパーソンにとって現実的なのは、後者の「登録講習機関で学ぶ」ルートです。
そして、このルートを選ぶと、登録講習機関の民間資格コースを修了することで、経験者として効率よく資格取得を目指せます。学科の知識から操縦の基礎まで体系的に学び、その証明を得ることで、よりスムーズかつコストを抑えて国家資格を取得できるのです。
2-2. 理由2:体系的な「知識と技術」の証明になる
あなたがドローンを仕事で使う場面を想像してみてください。クライアントや上司は、あなたに「何ができて、どれくらい安全に配慮できるのか」を知りたがっています。
国家資格が「公的な技能証明」である一方、民間資格は「ドローンに関する体系的な教育を受けた証明」として機能します。特に、歴史や実績のある団体が発行する資格は業界での認知度も高く、あなたの知識とスキルレベルを客観的に証明する有効な手段となります。
例えば、航空力学、気象、電波法、プライバシー保護といった座学から、基本的な操縦技術まで、カリキュラムに沿って学んだ経験は、あなたの揺るぎない土台となります。この土台があるからこそ、国家資格という、より専門的な資格へのステップアップが容易になるのです。
2-3. 理由3:安全運航管理者としての「意識」が身につく
ドローンを飛ばすことは、常にリスクと隣り合わせです。プロとして現場で活躍するには、操縦技術以上に「安全運航管理」の意識が求められます。
民間資格の講習では、単にドローンを飛ばす方法だけでなく、「なぜ、そのルールが必要なのか」「どのようなリスクが潜んでいるのか」「万が一の事態にどう対処すべきか」といった、安全管理の根幹を徹底的に学びます。
このプロセスを通じて培われた安全意識は、あなたのキャリアを守る最大の武器となります。現場で信頼される操縦者の多くは、高い安全意識を持っています。民間資格の取得は、その第一歩として非常に価値があるのです。
3. 【目的別】今取るべきは国家資格?民間資格?
では、具体的にどちらの資格を目指すべきか悩む方も多いでしょう。ここでは、あなたの現在の状況や目的に応じて適切なプランをご紹介します。
|
項目 |
国家資格 |
民間資格(登録講習機関) |
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位置づけ |
公的な技能証明(運転免許証のようなもの) |
体系的な教育の修了証明(教習所の卒業証明書) |
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主なメリット |
特定飛行の許可・承認が一部不要になる |
国家資格の経験者講習が受講できる |
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2025年12月以降 |
飛行許可申請における優遇措置の中心 |
国家資格取得への重要なステップ(近道) |
3-1. ケースA:まずはドローンの基礎を固め、可能性を探りたいあなた
「将来的には仕事にしたいけど、まずはドローンがどんなものか知りたい」「今の仕事にどう活かせるか、可能性を探りたい」と考えているなら、まずは民間資格の取得から始めるのがおすすめです。
【このプランのメリット】
- コストを抑えられる: 国家資格コースに比べて、一般的に費用が安価です。
- 基礎を体系的に学べる: 我流ではなく、プロの指導のもとで正しい知識と技術の土台を築けます。
- 将来の選択肢が広がる: 民間資格取得後、さらにプロを目指すなら国家資格へ、趣味として楽しむならそのまま、と柔軟にキャリアプランを考えられます。
ドローンマスタースクールでは、このステップに最適なコースをご用意しています。
3-2. ケースB:明確に「仕事で使う」と決めているあなた
「測量や点検、空撮といった分野で即戦力として活躍したい」「競合との差別化を図りたい」といった明確な目標をお持ちの場合は、国家資格の取得を最終目標として視野に入れるのがよいでしょう。
ただし、前述の通り、いきなり国家資格を目指すよりも、登録講習機関で民間資格を取得し、そこからステップアップするのが最も効率的で確実なルートです。
【このプランのメリット】
- 経験者講習が受講できる: 短期間かつ費用を抑えて国家資格を取得できます。
- 体系的な学習が可能: 基礎から応用まで、段階的にスキルを習得できるため、現場での実践に対応できる技能が身につきます。
- ビジネスチャンスが広がる: 国家資格保有者には、レベル3.5飛行(補助者なし・非立入管理措置での目視外飛行)など、許可される飛行の範囲が広がり、新たなビジネスチャンスが生まれます。
ドローンマスタースクールは国土交通省認定の登録講習機関です。民間資格から国家資格まで、一気通貫であなたのキャリアをサポートします。
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4. 知っておきたい!ドローン資格にまつわる3つの誤解
ドローンの資格制度は複雑で、特に制度の移行期である現在は、多くの誤解や不正確な情報が飛び交っています。ここでは、多くの人が勘違いしがちなポイントを3つに絞って、正しく解説します。
4-1. 誤解1:「資格がないと、ドローンは一切飛ばせない」は本当?
「ドローンを飛ばすには、必ず資格が必要だ」と考えている方が非常に多いですが、これは正確ではありません。結論から言うと、航空法で定められた基本的なルールを守れば、資格がなくてもドローンを飛ばすこと自体は可能です。しかし、その「基本的なルール」が非常に厳しく、多くの人がドローンを飛ばしたいであろう状況のほとんどが、許可・承認が必要な「特定飛行」に該当します。
【許可・承認が必要になる飛行の例】
- 空港の周辺
- 150m以上の上空
- 人口集中地区(DID)の上空 ←多くの都市部が該当
- 夜間の飛行
- 目視外での飛行(FPVゴーグルなど)
- 人やモノとの距離が30m未満になる飛行
- 催し場所上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件の投下
つまり、「資格なしでOK」なのは、人里離れた場所で、日中に、自分の目で見える範囲で飛ばす場合などに限られます。街中で飛ばしたり、美しい夜景を撮影したりするには、国土交通省からの許可・承認が必須です。資格は、これらの許可・承認手続きを簡略化したり、一部不要にしたりするために有効です。「自由に飛ばすためには、資格が非常に有効な手段である」というのが正しい理解です。
4-2. 誤解2:「国家資格がないと、仕事で使えなくなる」は本当?
次に、「ドローンを仕事にするなら、国家資格が絶対に必要になる」という誤解です。これも現時点では100%正しいわけではありません。法律上、ドローンを使った業務(例:空撮、測量、点検)を行うこと自体に、国家資格の保有が義務付けられているわけではありません(※レベル4飛行など一部の高度な飛行を除く)。
しかし、ビジネスの現場では法律以上に「信頼性」が重要になります。あなたが仕事を発注する側だとしたら、国が認めた技能証明を持つ操縦者と、そうでない操縦者、どちらに依頼したいでしょうか。答えは明白です。今後、公共事業の入札や大手企業の発注案件では、国家資格の保有が有利な条件となる、あるいは必須とされるケースが増えていくと予想されます。国家資格は、安全な運航管理と高い操縦技術を持つプロフェッショナルであることの「公的な証明書」として機能するのです。
4-3. 誤解3:「2025年以降、民間資格は完全に無意味になる」は本当?
本記事のテーマでもありますが、最も大きな誤解が「2025年の制度変更で、民間資格の価値はゼロになる」というものです。これは明確に間違いです。繰り返しになりますが、2025年12月以降に変更されるのは、あくまで「民間資格の修了証を提出することによる、飛行許可申請手続きの簡略化」というメリットの一部です。
むしろ、国家資格制度が整備された今、民間資格には「国家資格へのステップアップ」という新しい重要な役割が生まれました。国が認定した「登録講習機関」で講習を受け修了審査に合格すれば、国家資格取得時に指定試験機関での実地試験が免除されます。これにより、講習時間が大幅に短縮され、結果的に費用も抑えることが可能です。民間資格は「無駄」になるどころか、国家資格をお得に、そして効率的に取得するための近道として、その価値を増しているのです。
5. 制度変更の今だからこそ!信頼できるスクール選びが重要なワケ
制度が複雑化し、資格の価値が問い直される今、あなたのキャリアを左右するのは「どこで学ぶか」です。自己流での情報収集や練習には限界があり、誤った知識はかえってリスクとなります。今こそ、信頼できるプロフェッショナルから学ぶべき時です。
5-1. ポイント1:国が認めた「登録講習機関」であること
これが絶対条件です。国家資格の実地試験免除という最大のメリットを享受するには、国土交通省の「登録講習機関」として認定されたスクールで学ぶ必要があります。認定を受けていないスクールでいくら練習しても、試験免除にはなりません。まずは、そのスクールが公式サイトなどで「登録講習機関」であることを明記しているか、必ず確認しましょう。
5-2. ポイント2:あなたの目的に合ったコースがあること
スクールによって、得意な分野やコース内容は様々です。「空撮に強い」「測量やインフラ点検に特化している」「農薬散布のノウハウが豊富」など、特色があります。あなたの「ドローンで何をしたいか」という目的と、スクールの提供するコースが合致しているかを見極めることが重要です。カリキュラムの詳細や、卒業生の進路なども参考にすると良いでしょう。
5-3. ポイント3:卒業後の「サポート体制」が万全であること
資格取得はゴールではなく、スタートです。ドローン業界は技術の進歩や法改正のスピードが非常に速いため、卒業後も継続して情報を得たり、相談したりできる環境が不可欠です。
- 機体の購入やメンテナンスの相談に乗ってくれるか?
- 新しい法律や制度について情報提供してくれるか?
- 卒業生同士のコミュニティや、仕事に繋がるネットワークはあるか?
こうした「アフターフォロー」の手厚さが、あなたがプロとして長く活躍できるかを左右します。ドローンマスタースクールでは、卒業後も、法改正に関する情報提供や機体に関する相談対応など、継続的な支援を提供します。
卒業後も安心の完全アフターフォロー!ドロンマスタースクールの詳細
まとめ
制度変更を前に、ドローン資格への投資をためらうお気持ちも理解できます。しかし、その本質を理解すれば、民間資格は国家資格への最短ルートであり、あなたのスキルを証明する大きな強みとなります。変化の時代だからこそ、正しい知識と技術を身につけることが、ほかの人との差を生む決定的な要素となるのです。
ドローンマスターズスクールの詳細
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ドローンマスターズスクール一覧
DMS茨城つくば校
DMS茨城笠間校
DMS埼玉浦和校
DMS栃木宇都宮校
DMS東京足立校
DMS千葉野田校(農薬散布ドローン専門)
DMS東京秋葉原校
参照・引用元一覧
- 国土交通省: 無人航空機操縦者技能証明等 - https://www.mlit.go.jp/koku/license.html - 国家資格制度の公式情報
- 国土交通省: 登録講習機関に関するQ&A - https://www.mlit.go.jp/koku/content/001574653.pdf - 登録講習機関の役割とメリットに関する公式見解









