はじめに
FPVドローンの疾走感あふれる映像を見て、「自分もあんな風に飛ばしてみたい!」と感じたことはありませんか?
その一方で、「でも、特別な資格や免許が必要で難しそう…」と一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消します。
目次
4-1. ケース1: 「趣味でFPVレースや空撮を楽しみたい」あなた
4-2. ケース2: 「FPVで本格的な映像制作や仕事をしたい」あなた
1. そもそもFPVドローンとは?普通のドローンとの違い
まず、「FPVドローン」がどのようなものか、簡単におさらいしましょう。
FPVとは「First Person View」の略で、日本語では「一人称視点」と訳されます。一般的なドローンが、操縦者が機体そのものを目で追いながら操作するのに対し、FPVドローンは全く異なる操縦体験を提供します。
操縦者は専用のゴーグルを装着し、ドローンのカメラが捉えた映像をリアルタイムで見ながら操縦します。まるで自分がドローンのパイロット席に座っているかのような、圧倒的な没入感とスピード感が最大の魅力です。この特性から、スリリングなドローンレースや、アクロバティックなフリースタイル飛行で絶大な人気を誇っています。
この「ドローンを目で見ずに、ゴーグルの映像だけで飛ばす」という点が、法律上の資格を考える上で非常に重要なポイントになってくるのです。
2. 【結論】FPVドローンに国家資格は「必須ではない」が「ほぼ必須」である理由
それでは、本題です。FPVドローンを飛ばすのに、国家資格は必要なのでしょうか?
結論から言うと、法律上「国家資格がなければ絶対に飛ばせない」というわけではありません。
しかし、FPVドローンの飛行スタイルを考えると、
国家資格は「快適かつ合法的に楽しむためには、ほぼ必須のアイテム」と言えます。
その理由は、先ほど説明したFPVの操縦方法にあります。
ゴーグルを見て操縦するFPVドローンは、航空法における「目視外飛行」に該当します。
そして、この「目視外飛行」を行うためには、原則として飛行の都度、国土交通省へ飛行計画を申請し、許可・承認を得る必要があるのです。
毎回申請するのは、正直なところ非常に手間がかかります。
趣味で飛ばしたいだけなのに、飛ばすたびに書類を作成し、許可を待つ…
これでは気軽に楽しめませんよね。
しかし、国家資格(二等以上)を取得すると、一定の条件下で、この面倒な「目視外飛行」の許可・承認申請が不要になるのです。
つまり、資格を持つことで、飛行の自由度が劇的に向上し、本来のFPVの魅力を存分に味わうことができるようになります。これが、私たちが「ほぼ必須」と表現する最大の理由です。
参考:無人航空機の飛行許可・承認手続 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
3. なぜ?FPV飛行で国家資格が特に有利になる3つのメリット
許可申請が不要になるだけでも大きなメリットですが、国家資格には他にもFPVパイロットにとって嬉しい利点があります。ここでは、特に重要な3つのメリットを深掘りしてみましょう。
3-1. 飛行の自由度が格段に上がる
これは先ほども触れた最大のメリットです。国家資格を取得し、認証を受けた機体を使用すれば、これまで飛行のたびに必要だった目視外飛行の許可申請が原則不要になります。
「天気が良いから、今日飛ばしに行こう!」と思い立ったその日に、面倒な手続きなしで合法的にフライトを楽しめる。この差は非常に大きいと言えるでしょう。現場での経験から言えば、この「飛ばしたいときにすぐ飛ばせる」という環境は、操縦技術の向上にも直結します。
3-2. 社会的な信頼性が高まる
国家資格は、あなたが国に認められた知識と技能を持つパイロットであることの公的な証明書です。これは趣味の領域を超えて、大きな価値を持ちます。
例えば、あなたがFPVで撮影した映像を販売したり、空撮を仕事として請け負ったりする場合(ペルソナB)、クライアントは間違いなくあなたの技術と信頼性を評価します。その際、「国家資格保有者です」と一言添えるだけで、与える安心感は全く異なります。また、ドローンレースやイベントを主催・参加する際(ペルソナC)にも、資格は安全管理能力の証明となり、関係各所との調整をスムーズに進める助けとなるでしょう。
3-3. 正しい知識と技術が身につく
FPVドローンは非常に高性能で、スピードも出ます。一歩間違えれば、大きな事故につながる危険性もはらんでいます。国家資格の取得を目指す過程では、航空法などの関連法規はもちろん、機体の構造、気象、安全管理体制の構築まで、ドローンを安全に飛行させるための知識を体系的に学びます。
自己流で学んだ知識には、どうしても偏りや抜け漏れが生じがちです。信頼できる指導官のもとで基礎からしっかりと学ぶことは、あなた自身と、周りの人々や財産を守るための最も確実な投資と言えるでしょう。
FPVの操縦技術を磨くことに集中するためにも、その土台となる安全知識は、最初に固めておくべきです。
より詳しく知りたいあなたへ
国家資格を取得できるドローンスクールでは、具体的にどのようなことを学べるのでしょうか?興味が湧いた方は、ぜひ一度、講習内容の詳細をチェックしてみてください。
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4. あなたはどっち?目的別おすすめ資格ガイド
「国家資格のメリットは分かったけど、一等と二等、どっちを取ればいいの?」という声が聞こえてきそうですね。
ここでは、あなたの目的に合わせて、どちらの資格がおすすめかをご提案します。
4-1. ケース1: 「趣味でFPVレースや空撮を楽しみたい」あなた
→ おすすめ:二等無人航空機操縦士
あなたがペルソナA、つまり個人の趣味としてFPVのスピード感や美しい映像を楽しみたいのであれば、まずは「二等無人航空機操縦士」の取得を目指すのが最もコストパフォーマンスと満足度の高い選択となるでしょう。
二等資格があれば、先ほどから説明している「目視外飛行」の許可申請が不要になるメリットを十分に享受できます。多くのホビーイストにとって、飛行の自由度を確保するという点では、二等資格で十分カバーできるケースがほとんどです。
4-2. ケース2: 「FPVで本格的な映像制作や仕事をしたい」あなた
→ おすすめ:一等無人航空機操縦士(を視野に)
あなたがペルソナB、つまりFPVを使った映像制作や、インフラ点検などの業務を本格的に行いたいと考えているなら、「一等無人航空機操縦士」の取得を強くおすすめします。
一等資格と二等資格の最大の違いは、「第三者の上空(DID地区など)」での飛行が可能になる点です。
都市部での撮影や、イベント会場での飛行など、仕事としてドローンを飛ばす場面では、この「第三者の上空」を飛行せざるを得ないケースが多々あります。
一等資格は、こうした業務レベルでの高度な飛行を実現するためのパスポートと言えます。
資格の種類 |
主なポイント |
こんな人におすすめ |
一等 |
・第三者の上空(DID地区など)での目視外飛行が可能 ・より高度で専門的な知識・技術が求められる |
・FPVを仕事にしたいプロフェッショナル ・都市部などでの空撮を考えている方 |
二等 |
・第三者の上空以外での目視外飛行が可能 ・趣味や一般的な業務での自由度が格段に向上 |
・趣味でFPVを楽しみたいホビーイスト ・郊外での空撮や点検を考えている方 |
まずは二等からスタートし、将来的に必要になったら一等へステップアップするというキャリアプランも有効です。
5. 【重要】忘れてはいけない「アマチュア無線免許」
さて、国家資格の話に集中してきましたが、FPVドローンを飛ばすためには、もう一つ非常に重要な資格があります。それが「アマチュア無線技士」の免許です。
「え、ドローンなのに無線の資格?」と驚かれるかもしれませんが、これは電波法という法律で定められています。FPVドローンがカメラの映像を操縦者のゴーグルに送る際、多くの場合「5.8GHz帯」などの周波数の電波を使用します。この周波数の電波を、免許を持たずに使用することは違法行為にあたり、厳しい罰則の対象となります。
具体的には、「第四級アマチュア無線技士(4アマ)」以上の資格が必要です。
「また覚えることが増えた…」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。4アマは、国家資格に比べると取得のハードルは高くありません。eラーニングなどを活用すれば、比較的短期間で取得が可能です。
FPVを始めるなら、「ドローンの国家資格」と「アマチュア無線免許」は2つで1セット、と覚えておきましょう。
6. 国家資格を取得する最短ルートは「登録講習機関」
では、いよいよ国家資格を取得しようと決めたとき、最も効率的な方法は何でしょうか。
それは、国から認定を受けた「登録講習機関」、つまりドローンスクールに通うことです。
もちろん、独学で勉強して試験に臨むことも不可能ではありません。しかし、登録講習機関で学ぶことには、それを上回る大きなメリットがあります。それは、講習を修了すれば、国家試験のうち実技試験が免除されるという点です。
特にFPVのような繊細な操縦が求められるドローンでは、経験豊富なインストラクターから直接指導を受けることで、安全で正しい操縦技術を最短距離で身につけることができます。学科の勉強に集中し、実技はスクールで確実にマスターする。これが、合格への一番の近道と言えるでしょう。
7.まとめ
FPVを自由に楽しむには「国家資格(特に二等以上)」が、そして映像伝送のためには「アマチュア無線4級」が必要です。
これらは、安全な飛行と、あなたの創造性を最大限に発揮するための、いわば翼のようなもの。
まずは信頼できるスクールを探し、相談から始めてみませんか?
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