用途別、おすすめドローン!
ドローンはさまざまな用途に応じて使われる多機能なデバイスです。空撮やインフラ点検、農業、物流、ホビーなど、使用する機体は用途によって異なります。そのため、ドローンを使用するにあたり、どのような機能が必要なのか、使用用途に応じて選ぶことが重要となります。それぞれのドローンには特性があり、使用用途に合った機体を選択をすることで、より効率的な活用が可能となります。それぞれの使用用途にあったドローンの特性を理解し、使用用途にあった機体を選定できる手助けをする情報をお伝えできれば幸いです。
ドローンの主要な種類と機体の特徴
ドローンの種類は、その運用目的や機体の構造によって数多く販売されております。一般的には、空撮、産業用、FPV機、競技用などに分類されます。空撮用ドローンは高性能なカメラを搭載し、上空からの映像や画像を撮影するために設計されています。産業用ドローンは、測量やインフラ点検に特化した機能を搭載し、業務効率を高める役割を果たします。FPV機とは空撮機と使用用途的には同じ部類になるかと思いますが、空撮機とは違いFPVゴーグル(一人称視点)などを装着し操縦し、スピード感及びアクロバティックな撮影を行うことが可能となります。競技用ドローンは、スピードと操縦性に優れ、タイムレース競技のために特化された形状を持つことが特徴です。それぞれのドローンの特性を知ることで、必要な仕様が明確になり、機体選定の目安になるかと思われます。
空撮用ドローン
空撮用ドローンとは、高品質な画像や映像を撮影するための高性能のカメラが搭載されています。空撮用ドローンには、通常、高解像度のカメラが搭載されており、安定した撮影画像を得るためジンバル(手ぶれ補正)機能も備わっている機体も多いかと思います。ジンバル機能を搭載しているモデルは、安定した映像を提供出来るため、プロ・アマチュア問わず映像制作や風景撮影に利用されることが多いです。また、空撮ドローンの操作は比較的シンプルで、しっかり自主練習・スクールなどで講習などを行えば初心者でも扱いやすい設計のものが多いのも特徴的です。また、安全機能として様々なセンサーを搭載しており、安全な飛行をサポートしてくれます。今までの空撮はヘリコプターなどからの望遠カメラでの撮影が主でしたが、ドローンの活用により動きのある鳥目線での撮影ができ、低コスト・気軽に上空からの撮影ができることは、新しい撮影方法として身近になりました。映画・TV・SNSなどでも多くの場面で重宝されているデバイスとなります。
産業用ドローン
産業用ドローンとは、様々な産業用途に適した機能が盛り込まれた産業利用を前提として作られた機体になります。具体的には、インフラ点検、農薬散布、測量、物流など多岐にわたり利用が進められています。例えば、インフラの点検では、戸建ての屋根の点検や、マンション・ビルの外壁点検、橋梁や送電線の状態を確認することができます。そのような今までは人による高所作業中の事故等のリスク低減ができるのも大きな目的となります。また、農業分野においては、今までは人の手による農薬散布やラジコンヘリなどで行っていた作業をドローンを使用することにより農薬を均一に散布することが容易になり、作業効率の向上が期待できます。産業用ドローンの導入は、人の立ち入りが難しい場所や危険な場所にも容易に入ることができ、さらに作業時間の短縮やコスト削減、実施の安全性を高める効果をもたらすことが可能となります。そのため業務の業務用途に応じたドローン選びが重要です。
FPVドローン
FPVドローンとは、「First Person View」を略した言葉となります。意味としては「一人称視点」です。空撮用・産業用ドローンは地上から目視内飛行や手元にある送信機のモニターで飛行する目視外飛行が主となりますが、FPVドローンはゴーグルを装着しゴーグル内のディスプレイを確認しながら、ドローンからの送られてくる映像を確認しながらの操縦となります。その為、ドローンに乗っているかの様な映像のなか、臨場感のあるドローン飛行が可能となります。操縦できる範囲も大きい為、高スピード・自由度の高い飛行及び撮影が可能となります。
競技用ドローン
競技用ドローンは、その形状と性能が飛行競技に最適化されたモデルです。速度や加速度が高く、操縦が非常に難しいのが特徴になります。競技用ドローンは、パイロットによる自作機が多く、それぞれのパーツが交換可能となり、パイロット本人の好みに応じてカスタマイズが可能になります。レース用に作成されたドローンは、軽量化なども施されており、空気抵抗を最小限に抑える事のできる形状が採用されています。競技のためにはリアルタイムに映像を送信するFPV(FirstPersonView)機能も必須となり、この機能を搭載することで臨場感・スピード感のある操縦が可能となります。競技用ドローンの運用は空撮機・産業機などより高い操縦スキルが必要となり、操縦することで多くのスキルが磨かれる機体となっています。
各用途におけるそれぞれのドローンの得意分野は?
各ドローンはその性能や搭載されている機能によって、さまざまな用途での運用に適しているため、特定の使用分野で非常に効果的な作業が可能となります。たとえば、空撮用のドローンは高品質のカメラを搭載しており、風景やイベントを美しい映像で捉えることができます。産業用ドローンは特に、事業の効率や安全性向上に貢献してくれます。昨今は多岐にわたるワークフローに導入されています。用途別にドローンをうまく使い分けることで、各分野での仕事の効率化や、趣味目的でも思い描いていた撮影、飛行方法が可能となります。
空撮
空撮を主に行うドローンはクリエイティブな映像制作や趣味の映像撮影に向いています。空撮用途のドローンは、一般的に4K撮影が可能な高解像度のカメラを搭載しており、さまざまな撮影モードをサポートしています。ジンバルによる手ぶれ補正機能は機体が大きく傾いた際も撮影した動画などでは、傾きなどは確認できません。また代表的な機能としてActiveTrack(自動追尾機能)を持つモデルも多く、動いている撮影対象を自動で追尾して撮影を行ってくれる機能などもあります。昨今、発売されている機体はデュアルカメラ(二眼)・トリプルカメラ(三眼)などの搭載により撮影できる範囲の広がりも多岐にわたります。特に、風景撮影などの俯瞰撮影においては、空からの視点で新たな映像を提供することが可能です。これらにより、映像制作のクオリティが格段に向上し、多くのクリエイターに広く利用されています。
産業用ドローンの活用例
産業用ドローンは、各産業に特化した機能を備えており、業務効率化や作業の安全性向上を実現しています。例えば、インフラ点検や農業分野での農薬散布、また、最近警鐘がならされている物流業界での「物流の2024年問題」などのドローンによる物流などが挙げられます。これにより、業務処理のスピードが上がるだけでなく、人的リスクを軽減する役割を果たせる可能性もあります。ドローンの導入により、複雑な作業が迅速に行えるようになり、さまざまな業種での活用が進んでいます。
インフラ点検
インフラ点検において、産業用ドローンは非常に有用です。ドローンでの点検業務を導入するに辺り大きなメリットとして・業務の効率化・コスト削減・安全性の向上などがあげられます。これまでは構造物などの点検において足場を組んだりする必要がありましたが、ドローンを導入する事によりそのような準備は必要なくなります。また、足場などの準備が不要となるためコスト削減にもつながります。建設業における業務中の事故として長年問題となっていた転落事故等の安全面もドローンの導入により、人が危険な場所に行かなくても業務が行えるツールとして必要とされると予想されます。
測量
産業用ドローンは、測量作業にも効果的です。ドローンの進化により従来の手法に比べて効率化、及び高精度で行えます。従来の手法では人員が必要・時間がかかると共に人がアクセスが困難な場所・危険な場所へのリスクも大幅に削減でき効率的に作業が行えます。またドローン測量は機体に搭載されている高度なセンサーやカメラを使用することにより詳細な情報収集ができ、精密な3Dモデリングが可能となります。ドローン測量では短時間で広範囲の調査が可能となる為、人件費や工数の節約にもつながります。今後、ドローンによる測量は拡大していく可能性が予想されています。
災害対策・防災
産業用ドローンは、災害対策や防災においても重要な役割を果たします。災害における被害状況の確認は重要課題となります。災害時はヘリコプターなどと違いドローンは利用するまでの準備は少なく迅速な対応が可能となります。カメラも搭載されていることにより広範囲の被害状況の確認も行えます。被害状況を早期に確認できることはその後の対応を進めるにあたって有益な情報となります。また、被害状況の確認だけではなく被災者の発見にもドローンは有効となります。ほかの航空機とは違い飛行高度も低く音も小さい為、逃げ遅れなどの被災者発見に有効です。光学カメラだけではなく赤外線カメラなどの搭載機では更に発見が難しい状況にも対応が出来るかと思われます。災害時の仲介役として機能することで、危機管理の一環として非常に重要な存在となっています。
警備
警備においても、産業用ドローンが活用されています。施設の監視・広範囲にわたる巡回・高所の監視が可能となり、従来の人手による警備に比べてコストの観点からも効率が良いです。警備業界でも深刻な人手不足が問題であり、ドローンの活用が望まれています。ドローンで警備業務を行うメリットとして、迅速に対応できる・人手不足解消・人件費の削減・犯罪抑止が見込める、など多岐に渡ります。今後は商業施設やイベント会場などでドローンによる警備を見かける機会が増えるかもしれません。
農業(農薬散布など)
農業分野では、産業用ドローンが肥料や農薬散布に利用されています。これにより、広範囲での散布が短時間で行えるため、従来の人による手作業での散布よりも効率的です。従来の人による散布では重量のある肥料や農薬などを持ちすみずみまで移動が必要でした。ドローンを使用すれば遠隔操作で散布が可能となる為、負担の軽減や作業時間のコストも削減できます。また、ドローンによる農地のモニタリングも行えるので、作物の成長状況や病害虫の早期把握ができ、適切なタイミングでの作業が実現可能となります。このように、先進的なテクノロジーを利用した農業の進んでいます。
物流
物流業界では、産業用ドローンによる配達が注目を集めています。2022年に航空法が改正され、レベル4飛行が可能となりました。レベル4飛行とは今まで不可能だった有人地帯における目視外飛行が可能となりました。このような背景もあり国土交通省が「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.4.0」を発表しました。ドローン物流が注目される背景としてネットショッピングのよる需要上昇・再配達などによる業務負担の増加・迅速な配送サービスによる需要の拡大・燃料の高騰など多岐にわたります。またドローン物流に関してはまだまだ課題もあります。安全性の確保・インフラの整備などいくつかの課題もあります。現在では山間部や離島間の輸送は実証実験も含め実際に行われています。
DJI Mavicシリーズの特徴
ドローンの機体を調べると必ずと言っていいほど目にするドローンの企業があります。中国に本社をおくDJIと言うドローンメーカーです。世界のドローン市場7から8割のシェア率を誇ります。なかでもDJIのMavicシリーズは、コンパクトでありながら高性能であることが大きな特徴です。撮影機能に優れており、4K映像の撮影が可能なモデルもあります。簡易な操作性が求められる中で、GPS機能と各センサーを搭載することで、誰でも空撮ができるような設計になっています。また、持ち運びやすさにも考慮して折りたたみ式のデザインで気軽に持ち運べるサイズとなっています。このような特徴のMavicシリーズは、多くのユーザーに支持されている理由といえます。
ドローンの選び方:用途別おすすめモデル
ドローンを選ぶ際は、ご自身の使用目的に応じたモデルを検討することが重要となります。空撮、点検、農業、物流、ホビーなど、多種多様な用途があります。それぞれの用途に適した機能があるモデルを選ぶことで、目的に沿った使用が可能となります。例として、まず空撮用ドローンは高解像度のカメラや安全機能を搭載し、産業用ドローンは耐久性とや長時間飛行が可能なバッテリーを搭載しているか?またカメラの付け替えなどは可能か?など。このように、ご自身のニーズを明確にしておくことが、満足のいく機体の選定を行う為に必要となります。
人気のドローンメーカーと機体
ドローン市場にはいくつかのメーカーが存在しており、各メーカー製品にはそれぞれの魅力があります。特に、DJI (Mavic)、Parrot (ANAFI)、AutelRobotics (evo)などが人気のブランドとして挙げられます。DJIは高性能なカメラを搭載した空撮ドローンを数多く提供しており、特にDJI Mavicシリーズはそのコンパクトなデザインと高い撮影品質・コストパフォーマンスでユーザーから評価が高い機種です。Parrotも空撮や産業用ドローンに力を入れており、手軽に扱えるモデルとして人気です。各メーカーはそれぞれ特性が異なるため、使用目的を考慮した上での選定が必要となります。
用途別おすすめドローン
ドローンの用途別おすすめモデルは多種多様です。空撮を目的とする場合、高解像度カメラを搭載したDJIのMavicシリーズが人気です。産業用ドローンとしては、農業やインフラ点検に特化した機種が選ばれています。測量には、精密なセンサーなどを搭載したドローンが最適で、地形データの収集を迅速に行うことができます。競技用としては、多種多様のパーツがカスタマイズできるモデルが人気です。これにより、様々なニーズに応じたドローン選びが重要であり、各目的にフィットする機体を見つけることが重要となります。
おすすめドローンのメリット・デメリット
ドローンの選定においては、サイズや用途が自分の使用目的に最適かを理解することが必要となります。各ドローンにはそれぞれ特徴があり、メリットにだけ注目することは避け、デメリットも考慮することが必要です。例えば、空撮用途のドローンは高品質な映像撮影が出来るカメラを搭載してる一方、価格が高めになります。また、産業用ドローンは特定の業務での効率化を目的としますが、導入時のコストやメンテナンス費用がかかる場合も少なくありません。これらの各機体のメリット・デメリットを十分に理解し、選定しましょう。
空撮ドローンのメリット・デメリット
空撮用ドローンの主なメリットは、高解像度カメラによる映像や写真を手軽に撮影できる点になります。空撮用ドローンには、高性能なカメラが装備されており、プロフェッショナルから趣味用途までの映像を提供します。特に、ジンバルによる手ぶれ補正機能を持つモデルは、動きのある被写体や風の強い状況下でも安定した撮影が可能となります。ただし、空撮機の多くは初めから搭載されているカメラを使用する前提で作られており後にカメラ交換などは行えません。
産業用ドローンのメリット・デメリット
産業用ドローンは多くの仕事において効率化を実現するツールとなります。特に、インフラ点検や農業での農薬散布、物流など、さまざまな分野での業務改善を期待できます。これにより、作業時間を短縮し、人的リスクを軽減できるメリットがありますが、一方で、導入コストや保守にかかるコストが発生する為、中小企業にとっては資金的な負担になることも考えられます。また、外壁点検などで使用する赤外線カメラなどでは、赤外線の理解が必要な場合もあるため、操縦士の知識も必要だということを忘れてはならない要素です。そのため、運用にはそれなりの準備が求められます。
ドローンの人気機種一覧
DJI Mavic 3 Pro
飛行時間:43分
映像伝送距離:8㎞(日本国内)
限界高度:6000m
障害物検知:全方向
重量:958g
静止画画素数:4800万画素
動画解像度:最大5.1k/50fps
◇最高5.1kを備えた最高性能の空撮機。
小柄でありながらプロレベルの映像が撮影可能。
もちろん障害物センサーや自動帰還も搭載しており
初心者からベテランまで安心できる最高モデルです。
DJI Air 3 S
飛行時間:45分
映像伝送距離:10㎞(日本国内)
限界高度:6000m
障害物検知:全方向
重量:724g
静止画画素数:5000万画素
動画解像度:最大4k/120fps
◇撮影だけでなく編集や点検など、
ビジネスも視野に入れている方に向けた最新型ミドルモデル。
内蔵ストレージが42GBに増量し、保存容量の心配なく、すぐに空撮に出かけられる。
DJI Mni4 Pro
飛行時間:34分
映像伝送距離:10㎞(日本国内)
限界高度:6000m
障害物検知:全方向
重量:249g
静止画画素数:4800万画素
動画解像度:最大4k/100fps
◇DJI製の高性能はそのままに、自動飛行から4k撮影まで可能なライトモデル。
Mini4から全方向障害物センサー搭載で、初めてのドローン購入でも安心。
DJI Neo
飛行時間:18分
映像伝送距離:7㎞(日本国内)
限界高度:2000m
障害物検知:なし
重量:135g
静止画画素数:4800万画素
動画解像度:最大4k/30fps
◇送信機・アプリなしで手の平から自動追跡が楽しめるエントリーモデル。
スマホ画面上でゲームのように動かすこともできるので、
アングルにこだわった撮影も可能。
まとめ
ドローンの種類や用途についての情報をまとめてみました。空撮用や産業用、FPV機、競技用のそれぞれに特化したドローンの特徴があり、機体を選定する際に参考にしてもらえれば幸いです。空撮ドローンは高解像度のカメラを搭載しており、映像制作や趣味に適したおすすめのモデルが数多く存在します。また、産業用ドローンでは、インフラ点検や農業に役立つ機体があり、特に仕事の効率化などに最適な機体が多いです。FPV機・競技用ドローンに関しても、速度や操縦性能に優れた様々なモデルがラインアップされています。これらの情報を基に、それぞれの使用用途で最適なドローンの選定の参考にして頂ければ幸いです。ご自身に最も適した機体を選ぶことが重要となります。