ドローンを飛ばすには無線免許が必要?解説します!
皆さんこんにちは!ドローンマスターズスクールの林です!
皆さんが持っている、又は購入しようとしているドローンの電波帯は日本で飛ばしてもいい電波帯を使用していますでしょうか?
無線に関する知識が無いと知らぬ間に違法行為をしていたなんてことも...!!、今回は無線に関する知識や無線免許が必要な場合について解説をしていきます!
もくじ
無線を使った通信の仕組みと無線の種類
ドローンの無線資格が必要なケースとは
・産業用ドローンを使用する場合
・FPVドローンを使用する場合
ドローンを飛ばす際に必要になる可能性のある無線資格
免許が不要なドローンの条件
・技適マークが付与されている機器を使用する場合
・出力が弱微無線の範囲内の機器を使用する場合
無線を使った通信の仕組みと無線の種類
無線免許について解説をする前に、無線を使った通信の仕組みと無線の種類について解説いたします。
ドローンと送信機(プロポ)は無線通信を用いて通信をしています。無線通信というのはいわゆる電波による通信のことで、電波を使ってプロポの動作をドローンに伝えたり、ドローンに搭載されているカメラの映像をプロポに送ることが出来ます。
また、電波には使用用途によって電波帯域が異なりますので日本のドローンで主に使用されている電波帯について解説いたします。
2.4㎓帯
日本で売られているドローンやドローンユーザーならお馴染みのDJIのドローンなどが使用する2.4GHz帯は、通信の安定性と使いやすさから最も利用されている周波数帯です。
主に利用されている場面としては下記のようなものとなります。
・主な利用機器
Wi-Fi
Bluetooth機器
電子レンジ
無線LANルーター
ラジコンやドローンの操縦用無線 等
※2.4Ghz帯の機器一覧
2.4Ghz帯のメリットとデメリット
上記のように身の回りの電波を使った機器は2.4Ghzを使われることが多いです。
しかし、そんな2.4Ghzの電波帯には使いやすいというメリットもあればデメリットもございます。
メリット
・通信距離:直線距離で数百メートル~数キロメートルの範囲で通信可能。障害物が少ない環境ではさ らに広く利用できます。
・電波の侵入力: 木々や壁など、障害物を迂回して通信ができる。
・普及率が高い:多くのドローンが2.4GHz帯に対応しており、操縦や映像に使用されています。
デメリット
・電波干渉:2.4GHz帯を使用する機器は多く、Wi-FiルーターやBluetooth機器、電子レンジなど同じ周波数帯を利用するため、通信機器が多い場所では通信が不安定になります。
・他のドローンとの干渉:同じ周波数帯を使用するドローンが近くにいると、通信が衝突して誤動作や制御不能になる可能性があります。
5.8Ghz帯
5.8GHz帯は、高速通信が求められる機器に使用されており、ドローンでもよく使用される電波帯となります。主に利用されている場面としては下記のようなものとなります。
・主な利用機器
FPV(一人称視点)ドローンの映像中継
FPV(一人称視点)ドローンの操縦信号の送受信
自動車のETC 等
※2.4Ghz帯の機器一覧
5.8Ghz帯のメリットとデメリット
メリット
・高速通信:2.4GHz帯よりも多くのデータを高速で送信できます。
・干渉が少ない:2.4GHz帯ほど利用機器が多くないため、電波干渉が起きにくい。
・低遅延:5.8GHz帯は、2.4GHz帯よりも広い帯域幅を持っています。そのため、より多くのデータを一度に送信でき、データが高速処理されることで遅延が少なくなります。また、5.8GHz帯を使用するデバイスは、2.4GHz帯に比べて少ないため、他のデバイスとの干渉が減少し、信号の再送(リトライ)が少なくなり、スムーズにデータが送られることで遅延が抑えられます。
デメリット
・無線免許が必要:日本では、5.8GHz帯は無線免許を所有していない場合は使用できません。使用用途によって扱う免許の種類が変わってきますので、その確認も必要となります。
・短距離通信に限定される:5.8GHz帯は高周波数であるため、建物を電波が迂回できずに電波の伝送距離が短くなります。 特に通信障害物が多い都市部では信号減衰が注意です。→ 長距離通信が求められる場合、別の周波数帯(例: 2.4GHz)を検討する必要があります。
・5.8Ghz帯の対応送信機や受信機が少ない:日本で主に使われているドローンの送信機(プロポ)や受信機(フライトコントローラー)は2.4Ghz帯のものが多いため、5.8Ghzに対応しているものが少ない。
ドローンの無線資格が必要なケースとは
業務上ドローンを使用する場合、無線免許が必要なのは以下の3つのケースです。
周波数169MHz、出力10mW
周波数2.4GHz、出力最大1W
周波数5.7GHz、出力最大1W
上記のような電波帯を使用するドローンはどういった場面で使われているのか解説していきます!
産業用ドローンを使用する場合
産業用ドローンは169MHz帯、2.4GHz帯、5.7GHz帯といった周波数を利用します。その場合には、「第三級陸上特殊無線技士」の資格を取得することが求められます。
産業用ドローンは、農業や建設業をはじめとする多岐にわたる業界で活用が進んでおり、効率向上や安全性の面で高い期待が寄せられています。その使用に際しては、トラブルを未然に防ぐためにも、法令を遵守し、必要な資格を正しく取得しておくことが不可欠です。
FPVドローンを使用する場合
FPVドローンでは、リアルタイム映像を伝送するために特定の周波数帯域(5.8GHz)を使用することが一般的です。
5.8GHz帯を利用して映像伝送を行う際には、無線資格を取得しなくてはいけません。
個人用途の場合では最低限「第四級アマチュア無線技士」の取得が必要です。
一方で、業務やビジネス用途においては「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要とされています。FPVドローンを活用した撮影やレースなどをする場合は必ず対応となるライセンスを取得してください。
ドローンを飛ばす際に必要になる可能性のある無線資格
ドローンの無線資格が必要なケースについて解説していきましたが、次にそれぞれの資格について、ご紹介します。
第四級アマチュア無線技士
個人が無線操作を楽しむための国家資格である「アマチュア無線技士」には、第一級から第四級までの4つの級が存在します。各級では、使用できる周波数や空中線電力、対応する電波の種類が異なります。例えば、5.8GHz帯を利用したFPVドローンの映像伝送を個人で行う場合、最低でも「第四級アマチュア無線技士」の資格が求められます。
第三級陸上特殊無線技士
第三級陸上特殊無線技士は、無線通信を行うために必要な資格の一つです。 営利目的(事業等)で使用するドローンで「169MHz/10mW」「2.4GHz/1W以下」「5.7GHz/1W以下」に該当する場合、第三級陸上特殊無線技士(またはそれ以上)の資格が必要です。
主に5.8Ghzの無線機を搭載したドローン(例:通信距離が長いドローンや高精度な位置情報を取得する産業用ドローン、高速通信が必要なFPVドローンなど)を運用する場合に必要となり、これらのドローンは、強力な無線信号を発するため、無線通信に関する法的規制を遵守するために資格が必要となります。
免許が不要なドローンの条件
無線免許が不要なドローンの条件は、主に電波法に定める以下のポイントで定められています。 無線免許は、ドローンが使用する無線機器(送信機・受信機)の出力により必要・不要が決まりますので、しっかりと理解して飛ばせる基準を知っておきましょう!
技適マークが付与されている機器を使用する場合
ドローンを飛行させる場合は無線機器が「技術基準適合証明(技適)」を受けたものであることを確認しましょう!技適マークがある無線機器は、総務省の決定技術基準に適合しており、無線免許は不要です。
一般的な市販ドローン(DJIやParrotなどのメーカー製)はほとんどが技適認証済みです。
※技術基準適合証明マーク
出力が弱微無線の範囲内の機器を使用する場合
飛行させるドローンが微無線弱(特定小電力無線)の基準を満たす場合、無線免許は不要です。
出力制限:電波の強さが規定の範囲内(10mW以下など)。
使用する周波数帯:2400MHz(Wi-Fi帯)や5GHz帯などのISMバンドを使用します。
※無人航空機の飛行の安全に関する教則から参照
まとめ
ドローンを飛ばす際、使用する周波数や機器によっては無線免許が必要になる場合があります。特に、5.8GHz帯を利用した映像伝送を行うFPVドローンでは、個人用途であっても「第四級アマチュア無線技士」以上の資格が求められます。
資格を取得することで、法律を遵守しながら安全にドローンを運用できるだけでなく、無線通信の知識も深まります。ドローンの運用を考えている方は、自分の使用機器や運用スタイルに合わせて、必要な資格や手続きについて確認しておくことが大切です。正しい知識と準備を持って、ドローンの魅力を最大限に楽しみましょう!