ドローン警備とは?導入メリット・費用から必要な資格、仕事内容まで解説

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人手不足やコスト増など警備業界の課題をドローンで解決しませんか?本記事ではドローン警備について、導入メリットから必要な資格、未来のキャリアまで幅広く解説します。

 

この記事で分かること

  • ドローン警備の基本概念と従来警備との違い
  • 企業がドローン警備を導入する具体的な5つのメリット
  • 実際の活用事例と、失敗しないための導入ステップ
  • 警備ドローン操縦士の仕事内容と必須の国家資格
  • 市場価値の高いプロになるための専門スキル

 

目次

  1. ドローン警備とは?次世代のセキュリティシステムを解説

1-1. 従来の警備(有人・機械)との決定的違い

1-2. ドローン警備を支える中核技術

  1. 企業がドローン警備を導入する5つのメリット

2-1. 人件費・コストの大幅な削減

2-2. 警備品質の均一化と向上

2-3. 広範囲・24時間のシームレス監視

2-4. 人的リスクの排除と従業員の安全確保

2-5. データ主導の「予兆警備」への進化

  1. 導入前に知るべきデメリットと法的リスク

3-1. 天候・環境への依存性

3-2. 飛行時間とペイロード(搭載物)の制約

3-3. プライバシー権と社会的受容性

3-4. 遵守すべき航空法と関連規制

  1. 【企業向け】ドローン警備の活用事例と導入フロー

4-1. 多様な業界での活用事例

4-2. 失敗しないための導入ステップ

  1. 警備ドローン操縦士に求められる資格とスキル

5-1. スタートラインとなる国家資格「無人航空機操縦者技能証明」

5-2. 市場価値を最大化する「プラスアルファ」のスキル

まとめ

1. ドローン警備とは?次世代のセキュリティシステムを解説

ドローン警備とは、ドローン(無人航空機)に監視カメラやセンサーを搭載し、施設や敷地を自律的に巡回・監視する新しい形のセキュリティシステムです。

AIやIoT技術と融合することで、従来の警備手法が抱えていた物理的・人的な制約を乗り越え、警備のあり方を根本から変革する可能性を秘めた、「空飛ぶ高機能警備ロボット」ともいえる存在です。

1-1. 従来の警備(有人・機械)との決定的違い

従来の警備は、定点に立つ警備員やカメラによる「点(スポット)」の監視、あるいは巡回ルートによる「線(ルート)」の警備が中心でした。 対してドローン警備は、上空からの視点を加えることで、敷地全体を「面(エリア)」として捉え、さらに高さの概念を加えた「3次元(空間)」での警備を実現します。

比較項目

有人警備

機械警備(固定カメラ)

ドローン警備

警備範囲

点・線(巡回ルート)

点(設置場所)

面・空間(敷地全体)

機動力

低(人の移動速度)

高(迅速な現場急行)

死角

多い(建物の陰など)

多い(カメラの画角外)

少ない(自由な視点)

危険箇所

困難・危険

困難(設置場所による)

安全に監視可能

威嚇効果

人による(対面時)

限定的

飛行音・ライトによる広範囲な効果

データ活用

報告書(定性的)

録画映像(受動的)

飛行・画像データ(能動的分析)

 

このように、ドローン警備は従来の警備手法の弱点を補い、より能動的で包括的なセキュリティ体制の構築を可能にするのです。

1-2. ドローン警備を支える中核技術

ドローン警備の高度な機能は、単一の技術ではなく、複数の最先端技術の組み合わせによって実現されています。

  • 自律飛行・航法技術: GPSやGLONASSといった衛星測位システムに加え、ビジョンセンサーやLiDAR(レーザースキャナ)を用いて自己位置を正確に推定し、障害物を回避しながらプログラムされたルートを寸分違わず飛行します。
  • AI画像解析: 搭載カメラが捉えた映像をエッジAI(ドローン本体)またはクラウドAIがリアルタイムで解析。「人」「車両」といったオブジェクトの識別はもちろん、フェンスを乗り越える、倒れているといった「行動」の認識まで可能になりつつあります。
  • 赤外線サーマルカメラ: あらゆる物体が発する赤外線を可視化する技術です。これにより、完全な暗闇や霧、茂みの中に隠れている不審者も、その体温によって明確に検知できます。設備の異常発熱の検知にも応用されます。
  • ドローンポート(自動運用基盤): ドローンの格納庫であり、自動離着陸、高精度な着陸誘導、そして非接触型の自動充電機能を提供します。これにより、人の介在を最小限に抑えた24時間365日の連続運用が現実のものとなります。
  • 第5世代移動通信システム(5G): 「高速・大容量」「低遅延」を特徴とする5G通信は、高精細な4K映像やセンサーデータを遅延なく地上へ伝送するために不可欠です。これにより、遠隔地にいる監視員が、まるで現場にいるかのような臨場感で状況を把握できます。

これらの技術を体系的に学び、現場で応用する能力こそが、これからのドローン操縦士に求められます。

2. 企業がドローン警備を導入する5つのメリット

「本当にコストに見合う効果があるのか?」という疑問は、導入を検討する上で最も重要なポイントです。ここでは、ドローン警備がもたらす具体的なメリットを、費用対効果の観点も含めて掘り下げます。

2-1. 人件費・コストの大幅な削減

警備業務における最大のコスト要因は人件費です。特に広大な施設を24時間体制でカバーするには、多くの警備員が必要となります。ドローンは、この構造的な課題に直接的な解決策を提示します。

10ヘクタールの工場における年間警備コスト比較

項目

従来の有人警備

ドローン警備システム

巡回要員

2名×3交代=6名

監視員1名(他業務と兼任可)

年間人件費

約2,400万円(@400万/人)

約250万円(1名の50%工数と仮定)

システム費用

-

約500万円(リース/サブスク想定)

年間合計

約2,400万円

約750万円

年間削減効果

-

約1,650万円

 

※上記は10ヘクタール規模の工場を想定した試算例です。実際の削減効果は、敷地面積、警備レベル、導入システムの仕様によって大きく異なります。

2-2. 警備品質の均一化と向上

警備員のスキルや集中力、体調によって警備品質にムラが生じるのは、有人警備における避けられない課題でした。ドローンはプログラムに基づき、感情や疲労に左右されることなく、常に一定のパフォーマンスで任務を遂行します。AIによる異常検知は、人間の目では見逃しがちな微細な変化や、一瞬の動きも捉えることができ、特定の条件下(夜間の侵入者検知、設備の異常発熱検知など)では警備の精度向上に貢献します。

2-3. 広範囲・24時間のシームレス監視

人の足では数時間かかるような広大な敷地も、ドローンであれば上空から短時間で巡回を完了できます。例えば、時速50kmで飛行するドローンなら、徒歩で3時間かかる10km四方の敷地を約30分で巡回可能です(※飛行ルートや障害物の有無により変動)。ドローンポートを複数配置すれば、リレー方式で飛行を継続し、充電のためのダウンタイムを大幅に短縮することも可能です。これにより、これまでコストや人員の制約で実現が難しかった「敷地全体の24時間監視体制」が、技術的に実現可能な選択肢となります。

2-4. 人的リスクの排除と従業員の安全確保

高所、足場の悪い場所、有毒ガス発生の恐れがあるエリア、災害直後の危険地帯など、人が立ち入ることでリスクが生じる場所は数多く存在します。ドローンは、こうした危険な任務を人に代わって遂行することで、従業員の安全を確保し、労働災害のリスクを大幅に低減します。これは、企業の安全配慮義務を果たす上でも極めて重要な意味を持ちます。

2-5. データ主導の「予兆警備」への進化

ドローンが収集する膨大な飛行ログ、画像、センサーデータは、企業の貴重な資産となります。これらのデータを分析することで、「侵入が多発する曜日・時間帯」「不審車両の侵入経路」「フェンスの脆弱箇所」などを客観的に特定できます。これにより、経験や勘に頼った従来の警備計画から脱却し、データに基づいた「予兆警備」「予測防犯」へと進化させることが可能です。

3. 導入前に知るべきデメリットと法的リスク

ドローン警備は万能ではありません。導入を成功させるためには、その限界とリスクを正確に理解し、事前に対策を講じることが不可欠です。

3-1. 天候・環境への依存性

ドローンは航空機であるため、天候の影響を受けます。特に、風速10m/sを超える強風や、視界を奪う豪雨、機体への着氷リスクがある降雪時には飛行が困難になります。

3-2. 飛行時間とペイロード(搭載物)の制約

現在のバッテリー技術では、pの連続飛行時間は20~40分程度が一般的です。また、高性能なカメラやセンサーを搭載すれば、その分、機体重量が増加し、飛行時間が短くなるというトレードオフの関係があります。

3-3. プライバシー権と社会的受容性

ドローンの「空からの目」は、時にプライバシー侵害のリスクを伴います。意図せず隣接する民家や、従業員の私的な領域を撮影してしまう可能性は常に考慮しなければなりません。また、ドローンの飛行音に対する近隣住民からの苦情も想定されます。

3-4. 遵守すべき航空法と関連規制

ドローンの飛行は、航空法によって厳しく規制されています。特に、人口集中地区(DID)の上空、夜間、目視外、人や物件から30m未満の距離での飛行は、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です。これらのルールを遵守せずに飛行させた場合、罰則が科せられる場合があります。

4. 【企業向け】ドローン警備の活用事例と導入フロー

理論だけでなく、実際の現場でドローンがどのように価値を生み出しているのか、多様な事例を通じてご紹介します。

4-1. 多様な業界での活用事例

  • 製造業(大規模工場): 夜間の広大な敷地を自律飛行し、フェンス周辺の侵入者を検知。スピーカーで警告を発し、警備員が到着するまでの初期対応を担う。※1
  • エネルギー産業(メガソーラー): 数万枚のソーラーパネルを赤外線カメラで定期的に撮影し、盗難監視と同時に「ホットスポット」と呼ばれる異常発熱箇所を特定。発電効率の維持にも貢献。
  • 建設・土木業: 工事完了後の夜間、現場に置かれた重機や資材の盗難を監視。上空からの定点観測により、工事の進捗管理にもデータを活用。
  • 農業・畜産業: 広大な農地や牧場を巡回し、農作物の盗難や害獣の侵入、家畜の異常を監視。スマート農業の一環としても導入が進む。※2
  • 地方自治体: 公園や河川敷など、公共施設における不法投棄の監視や、災害発生時における被災状況の迅速な把握、避難誘導などに活用。※3

4-2. 失敗しないための導入ステップ

思いつきでの導入は、失敗につながる可能性があります。以下の体系的なステップを踏むことが、投資対効果を最大化する鍵となります。

  1. 課題の明確化と要件定義: 「何のためにドローンを導入するのか」を徹底的に議論し、解決したい課題(例:巡回警備のコストを30%削減する)と、そのために必要な機能(例:夜間撮影、自動追尾)を具体的に定義します。
  2. 現地調査(サイトサーベイ)とリスクアセスメント: 専門家が現地を訪れ、電波環境、障害物、周辺のプライバシー状況などを詳細に調査。ドローンの飛行に関するあらゆるリスクを洗い出し、評価します。
  3. 実証実験(PoC - Proof of Concept): 本格導入の前に、小規模な範囲で実際にドローンを運用してみます。ここで、定義した要件が満たされるか、費用対効果は見合うかなどを客観的なデータで検証します。
  4. システムインテグレーションと運用体制の構築: PoCの結果を基に、最適なドローン機体、ドローンポート、監視ソフトウェアなどを選定・導入します。同時に、緊急時対応フローを含む詳細な運用マニュアルを作成し、操縦者や監視員のトレーニングを実施します。
  5. 本格運用と効果測定: 全面的な運用を開始します。導入後も、定期的にKPI(重要業績評価指標)を測定し、導入効果を定量的に評価します。
  6. 継続的な改善と最適化: 運用を通じて得られたデータや、現場からのフィードバックを基に、飛行ルートや監視設定を定期的に見直し、警備システムを常に最適な状態に保ちます。

5. 警備ドローン操縦士に求められる資格とスキル

ドローン警備の急速な普及に伴い、「警備ドローン操縦士」という専門職の需要が高まっています。これは単にドローンを飛ばすだけでなく、テクノロジーを駆使して人々の安全を守る、責任と将来性のあるキャリアです。 プロフェッショナルとして活躍するために必須となる「国家資格」と、市場価値を高めるための「専門スキル」について解説します。

5-1. スタートラインとなる国家資格「無人航空機操縦者技能証明」

2022年12月に施行された国家資格制度※4は、ドローン操縦士の技術を国が証明するものです。特に警備業務では、「夜間飛行」や「目視外飛行(モニターを見ながらの操縦)」が頻繁に行われるため、この国家資格の取得が事実上の必須条件となりつつあります。

二等無人航空機操縦士(二等資格)

「立入管理措置を講じた上(関係者以外立入禁止エリア)」での夜間・目視外飛行などが可能になります。工場や倉庫の敷地内警備など、多くの業務はこの二等資格で対応可能です。資格取得により、飛行ごとの許可・承認申請が不要または簡素化され、スムーズな業務遂行が可能になります。

一等無人航空機操縦士(一等資格) 

「立入管理措置を講じない」状態、すなわち第三者がいる可能性のある市街地上空などでの目視外飛行(レベル4飛行)が可能になります。将来的に、都市部での広域巡回警備や災害対応など、より高度なミッションを目指す上で強力な武器となります。

  • 資格取得には、国が登録した「登録講習機関」であるスクールで講習を修了し、実地試験の免除を受けるのが最も確実で効率的なルートです。

5-2. 市場価値を最大化する「プラスアルファ」のスキル

国家資格の取得は、あくまでプロとしてのスタートラインです。多くの操縦士の中から選ばれ、高単価な案件や重要なポジションを任されるためには、他者と差別化できる高度なスキルが不可欠です。

【現場で差がつくテクニカルスキル】

  • 高度センサーの解析能力: 赤外線(サーマル)カメラを使いこなし、夜間の不審者や設備の発熱異常を映像から読み解く技術。
  • 運航管理・リスクマネジメント: 複数の機体を同時に監視・運用する能力や、突発的な強風・通信断絶などのトラブルに冷静に対処する判断力。
  • セキュリティ・データ知識: 収集した映像データの適切な管理や、機体の乗っ取り(ハイジャック)を防ぐためのサイバーセキュリティの基礎知識。

【ビジネスを動かすソフトスキル】

  • 正確な報告・コミュニケーション力: 異常発見時に、状況を簡潔かつ的確にクライアントや警察へ伝える能力。
  • 課題解決・提案力: クライアントの警備計画に対し、「ドローンならここを自動化できる」といった改善案を提示できるコンサルティング能力。

これらのスキルは一朝一夕には身につきませんが、習得すれば替えの効かない人材として重宝されます。 

ドローンマスターズスクールでは、国家資格の取得はもちろん、現場の第一線で活躍するプロから実践的な技術を学べる「民間・専門資格コース」もご用意しています。確かな技術を身につけ、警備ドローン操縦士としてのキャリアをここからスタートさせましょう。

ドローンマスターズスクールの資格取得コース詳細はこちら

まとめ

ドローン警備は企業の安全性を高め、個人の新たな専門職を創出する未来のインフラです。導入相談から資格取得まで、私たちがその第一歩をサポートします。未来の警備を、今ここから始めましょう。ご相談は、お気軽に「お問い合わせ」ください。

ドローンマスターズスクールの詳細

■ドローンマスターズスクールの特徴や国家資格制度について、さらに詳しく知りたい方は当スクールの「無料説明会(ドローンセミナー)」に是非ご参加下さい!


ドローンマスターズスクール一覧

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DMS茨城笠間校
DMS埼玉浦和校
DMS栃木宇都宮校
DMS東京足立校
DMS千葉野田校(農薬散布ドローン専門)
DMS東京秋葉原校

参照・引用元一覧

  1. 警備ドローンの活用シーンと警備に活用するメリット・デメリットを解説!‐https://www.spd-security.com/blog/3299#i-3
  2. ドローンによる警備のメリットと想定される課題を解説‐https://product.acsl.co.jp/useful/post-1713/#i-11
  3. ドローンを使った防犯とは?2025年最新の活用事例や機材を紹介‐https://drosatsu.jp/blogs/information/drone-security-2025

無人航空機操縦者技能証明等 - 国土交通省 - https://www.mlit.go.jp/koku/license.html

この記事を書いた人

中山 慶一 中山 慶一

ドローンマスターズスクール運営元 株式会社モビリティテクノ ドローン事業部統括部長 2017年からドローン業務に従事し外注案件及び新規スクールの開校を手掛けています。