ドローンの飛行距離はどれくらい?カタログ値通りに飛ばない理由と限界距離

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「ドローンって、一体どこまで遠くに飛ばせるの?」 多くの人が抱くこの素朴な疑問。実はその答えは、法律による規制と、ドローン自体の性能という2つの側面から考える必要があります。特に、自分の目で機体を確認できないほどの長距離を飛行させる「目視外飛行」には、国の許可や専門資格が不可欠です。

この記事では、ドローンの飛行距離に関するルールから、安全に長距離飛行を実現するための具体的な方法まで、幅広く解説します。

 

この記事でわかること

  • 法律上の「目視内飛行」の限界距離(一般的に100~300m程度が目安)
  • カタログ値(10km)と実際の通信距離の違い
  • 目視外(長距離)飛行を実現するための2つのルート(許可申請 vs 国家資格)
  • 違反した場合の罰則リスク(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)
  • 安全に飛ばすためのプロの学び方とスクールの活用法

 

目次

  1. ドローンの「飛行距離」を決める2つの壁(法律と性能)

1-1.法律の壁:「目視内飛行」の義務とは

1-2.性能の壁:「通信距離」と日本の電波環境

1-3.違反した場合の罰則

  1. どこまで離れていい?具体的な距離規制

2-1.空港周辺(進入表面等)からの距離

2-2.地表・水面からの高さ(150m制限)

2-3.人口集中地区(DID)と第三者上空

2-4.私有地や海上なら無制限?

  1. 「目視外」で長距離飛行させるための2つのルート

3-1.ルート1:国土交通省への個別許可申請(DIPS 2.0)

3-2.ルート2:国家資格(一等・二等)の取得

  1. 産業用ドローンは実際どれくらい飛ぶ?

4-1.カタログ値と実効距離のギャップ(電波干渉の罠)

4-2.用途別の必要距離と機体性能

4-3.長距離飛行を支える技術(RTK・LTE通信)

  1. 長距離飛行(目視外)への近道|国家資格取得はスクールが効率的

5-1.目視外飛行特有の難しさ(距離感の喪失)

5-2.スクールで学べる「緊急時の判断力」

まとめ

1. ドローンの「飛行距離」を決める2つの壁(法律と性能)

ドローンの飛行距離を考えるとき、多くの人が「性能が良い機体なら、どこまでも遠くに飛ばせる」と考えがちです。しかし、実際には性能以前に、守らなければならない法律上の大原則が存在します。ドローンの飛行距離は、大きく分けて①法律で定められた「目視内」という運用上のルールと、②機体のスペックによって決まる物理的な「通信可能距離」という2つの軸で決まります。

1-1.法律の壁:「目視内飛行」の義務とは

まず理解すべき重要な原則が、航空法で定められている「目視内飛行の義務」です。これは、ドローンを操縦する人が、常に自分の目で機体の位置や状況を直接確認できる範囲内で飛行させなければならない、というルールです※1

たとえ高性能なカメラでドローンからの映像が手元で見えていたとしても(FPV飛行など)、それは「目視」には当たりません。あくまで、操縦者自身の肉眼で機体を確認できることが求められます。

「目視内」とは具体的に何メートル?
法律で明確なメートル数は定義されていませんが、機体の大きさや天候により異なるものの、一般的に100~300m程度が肉眼で視認できる目安とされています。障害物のない開けた場所で中型機を飛行させた場合、300m程度まで視認可能ですが、小型機や悪天候(霧や逆光)の場合はこの距離が大幅に短くなります。重要なのは「いつでも機体を直接視認し、危険を判断できる状態を保つ」ことです。

1-2.性能の壁:「通信距離」と日本の電波環境

一方で、機体の性能としての「通信可能距離」も飛行距離を左右します。最新の産業用ドローンの中には、カタログスペック上で10km以上の長距離通信が可能なモデルも存在します。しかし、これはあくまで理想的な環境での数値です。

日本の電波法や都市部の電波干渉を考慮すると、実際にはカタログ値よりも短い距離で映像が途切れることがあります。そして何より、前述の通り法律で「目視内飛行」が義務付けられているため、特別な許可がない限り、この性能を最大限に活かして遠くまで飛ばすことはできません。

1-3.違反した場合の罰則

もし、許可なく目視外飛行を行ったり、禁止空域を飛行させたりした場合、航空法違反として「50万円以下の罰金」や「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される可能性があります※2。「知らなかった」では済まされない重いペナルティがあることを、まずはしっかりと認識しましょう。

2. どこまで離れていい?具体的な距離規制

ドローンの飛行距離は、「目視内」という原則に加え、特定の場所からの「距離」に関する具体的な規制も受けます。これらは主に、他の航空機との衝突リスクや、地上の人・物件への危害を防ぐ目的で定められています。

2-1.空港周辺(進入表面等)からの距離

最も厳格な規制の一つが、空港周辺の飛行です。航空機の安全な離着陸を確保するため、空港の周辺には「進入表面」や「転移表面」といった制限表面(目に見えない保護区域)が設定されています。

具体的にどのくらいの距離が対象になるかは空港の規模によりますが、例えば東京国際空港(羽田空港)や成田国際空港のような主要な空港では、その範囲が半径24kmにも及ぶ場合があります※3

2-2.地表・水面からの高さ(150m制限)

ドローンは、地表または水面から150m以上の高さで飛行させることも原則禁止されています※4。これは、一般的な航空機が飛行する高度との重複を避けるためです。山の上から飛ばす場合など、地面からの距離(対地高度)が変わる場所では特に注意が必要です。

2-3.人口集中地区(DID)と第三者上空

都市部での飛行に大きく関わるのが、この規制です。国勢調査の結果に基づき「人口密度が1平方キロメートルあたり4,000人以上」の地域が連なって設定される「人口集中地区(DID)」の上空では、ドローンの飛行が原則禁止されています。

2-4.私有地や海上なら無制限?

よくある誤解ですが、「自分の家の敷地内」や「海上」であっても、航空法の規制は適用されます。 たとえ私有地であっても、DID地区内であれば許可が必要ですし、海上であっても空港周辺や150m以上の高さ制限は有効です。また、目視外飛行のルールも場所を問わず適用されます。「私有地だからどこまで飛ばしても自由」というわけではないので注意が必要です。

3. 「目視外」で長距離飛行させるための2つのルート

「目視内飛行」が原則であることはご理解いただけたかと思います。では、測量やインフラ点検、広範囲の農薬散布など、業務上どうしても目視範囲を超えてドローンを長距離飛行させる必要がある場合は、どうすればよいのでしょうか。そのための合法的な方法は、大きく分けて2つあります。

3-1.ルート1:国土交通省への個別許可申請(DIPS 2.0)

一つ目は、飛行ごとに国土交通省(DIPS 2.0というオンラインシステムを利用)に申請し、個別の許可・承認を得る方法です。 この方法では、「いつ、どこで、誰が、どの機体を、どのような安全対策を講じて飛行させるのか」を詳細に記した飛行計画書やリスク評価書を作成し、提出する必要があります。特に目視外飛行の場合、「補助者の配置」や厳格な安全管理体制を証明しなくてはなりません。

3-2.ルート2:国家資格(一等・二等)の取得

そこでおすすめしたいのが、二つ目の方法である「ドローン操縦士の国家資格(一等または二等無人航空機操縦士)」の取得です。2022年12月5日に施行されたこの制度は、ドローンの社会実装を加速させるための切り札とも言えます。

資格があると手続きはどう楽になる?

比較項目

①個別の許可・承認のみ

②国家資格の取得(一等/二等)

飛行の自由度

申請内容に限定される

資格範囲内であれば柔軟性が高い

申請手続き

飛行ごとに詳細な書類作成が必要

一部の飛行で申請が不要・簡略化

目視外飛行

補助者配置が原則必須

条件により補助者なしが可能(一等)

社会的信頼性

実績で示す必要がある

国が認めた技能証明として高い

 

特に最上位資格である「一等無人航空機操縦士」を取得すれば、「レベル4飛行」と呼ばれる「有人地帯(第三者)の上空での目視外飛行」が可能となり、これまで実現が難しかった都市部での物流や警備といった分野での活用が見込まれます。

継続的に目視外飛行を行う計画がある場合、国家資格を取得すると手続きの負担が軽減されるため効率的です。ドローンマスターズスクールでは、この国家資格取得に特化したコースを全国で展開しています。

4. 産業用ドローンは実際どれくらい飛ぶ?

法律の壁をクリアした先には、機体の性能という物理的な限界が待っています。ここでは、カタログスペックと現実の違いについて解説します。

4-1.カタログ値と実効距離のギャップ(電波干渉の罠)

ドローンのカタログには「最大伝送距離 8km(日本国内)」などと書かれていますが、これは「電波干渉がなく、障害物のない開けた場所」での数値です。 Wi-Fiが飛び交う都市部や、木々が生い茂る山間部では、通信距離は大幅に短くなります。場合によっては1km未満で映像が乱れることも珍しくありません。プロの現場では、カタログ値の半分以下を目安に安全マージンを取るのが一般的です。

また、海外製の並行輸入品などで、日本の電波法に適合していない(技適マークがない)高出力な機体を使用することは違法ですので、絶対に使用してはいけません。

4-2.用途別の必要距離と機体性能

物理的な限界や電波の特性を理解した上で、次に考えるべきは「自分の現場では実際にどのくらいの性能が必要なのか」という点です。業務内容によって、ドローンに求められる飛行距離や機能のバランスは大きく異なります。主要な産業用途における、現実的な運用距離と機体性能の目安を確認します。

  • 農薬散布: 数百メートル〜1km程度の範囲。目視内での作業が基本となるため、長距離性能よりも液剤積載時の安定性や自動航行の精度が重視されます。
  • インフラ点検: 数キロ〜十数キロ。長大な送電線や橋梁を点検するため、DJI「Matrice 350 RTK」のような長距離伝送(最大8km)と、ズームカメラでの詳細確認能力が求められます。
  • 災害調査: 状況により数キロ以上。人が立ち入れないエリアへの侵入が必要なため、長距離飛行に加え、雨風の中でも帰還できる悪天候への耐性も重要です。

4-3.長距離飛行を支える技術(RTK・LTE通信)

長距離飛行の精度を高めるために、RTK(Real Time Kinematic)という高精度測位システムが使われます。これにより、数センチ単位での位置制御が可能になります。 さらに近年では、携帯電話の通信網(LTE/5G)を利用してドローンを制御する技術も実用化されつつあります。これが普及すれば、電波の直接届かない山裏などでの「見通し外」への飛行も、より安全に行えるようになります。

5. 長距離飛行(目視外)への近道|国家資格取得はスクールが効率的

目視外での長距離飛行を行うには、高度な操縦スキルに加え、航空法や電波法などの専門的な知識も不可欠です。

もちろん、独学で時間をかけて習得することも不可能ではありませんが、安全に飛ばせるレベルになるまでには多くの試行錯誤が必要になります。そこで、最短ルートで確実な技術を身につけるための「近道」としておすすめなのが、ドローンスクールの活用です。

5-1.目視外飛行特有の難しさ(距離感の喪失)

モニターの映像だけを頼りに操縦する目視外飛行では、機体と障害物との距離感が掴みにくく、周囲の状況把握が難しくなります。GPSが切れた瞬間に機体を見失うリスクもあります。こうした状況での対処法を独学で習得するのは、相応のリスクを伴います。

5-2.スクールで学べる「緊急時の判断力」

ドローンスクールでは、国土交通省の定める要件に準拠したカリキュラムを通じて、法律知識だけでなく、緊急時の回避操作やリスク管理を徹底的に学びます。

特にドローンマスターズスクールは、全国に展開するネットワークに加え、卒業後も無料で操縦訓練に参加できるアフターフォロー制度が強みです。卒業後も定期的にスキルをアップデートし、常に最新の技術レベルを維持できる環境が整っています。

まとめ

ドローンの飛行距離は、法律と性能の2軸で決まります。

  1. まずは「目視内飛行(一般的に100~300m程度)」の大原則を守る。
  2. 空港周辺やDID地区などの禁止空域を避ける。
  3. 業務で長距離を飛ばすなら、「国家資格」を取得して飛行の自由度を広げる。
  4. カタログ値を過信せず、実効距離を見極めて安全に運用する。

信頼できるドローンスクールで体系的に学び、適切な知識と技術を習得し、安全にドローンの可能性を最大限に引き出しましょう。

 

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参照・引用元一覧

  1. 国土交通省「無人航空機の飛行ルール」 - https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
  2. 航空法等の一部を改正する法律-
    https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231
  3. 国土交通省 東京航空局‐無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン
    https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf
  4. 国土交通省 東京航空局‐無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法
    https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html

この記事を書いた人

中山 慶一 中山 慶一

ドローンマスターズスクール運営元 株式会社モビリティテクノ ドローン事業部統括部長 2017年からドローン業務に従事し外注案件及び新規スクールの開校を手掛けています。