目次
1-2. ムラなく農薬散布! 農薬もコストも節約
1-3. 「危ない」から、「安心」へ
2-1. 必要な資格
2-2. 必要な手続き
2-3. 必要ではないが保険の備えを。
1. ドローン農薬散布と従来の方法は何が違う?
「ドローンで農薬をまくって、本当に良いものなの?」きっと、そう思われる方もいらっしゃるでしょう。では、これまでのやり方と比べて、どのような嬉しい変化があるのか、具体的に見ていきましょう。
1-1. ドローンで農薬散布する作業時間と身体への優しさ
一番の魅力は、なんといっても作業時間の大幅な短縮です。例えば、1ヘクタールの水田に農薬をまくとしましょう。
- 昔ながらの手動噴霧器だと… 約2時間
- 背負式の動力噴霧器を使っても… 約1時間半
- それがドローンなら… なんと約15分!
上記はあくまで目安ですが、手作業と比べると6倍から8倍も速く作業が終わる計算です。これが5ヘクタールの農地なら、今まで丸一日かかっていた重労働が、ほんの1~2時間で完了するイメージです。
その空いた時間で、他の作業に手を回したり、少し体を休めたり…考えただけでもワクワクしませんか?
そして、あの重いタンクを背負って畑を歩き回る苦労からも解放されます。
「夏の散布作業は、毎年倒れそうになるくらいキツいんだよ…」
そのような経験をお持ちの方にとって、この身体的な負担の軽減は、何物にも代えがたい価値があるはずです。
1-2. ムラなく農薬散布! 農薬もコストも節約
人の手で散布すると、どうしても「あっ、ここは濃すぎたかな」「あそこは薄かったかも…」なんて、散布ムラが気になりますよね。どんなに熟練した方でも、風向きや歩く速さで均一にまくのは至難の業です。
その点、ドローンは賢いんです。あらかじめ設定したルートを、一定の高さとスピードで正確に飛行し、まるで絨毯を敷くように均一に農薬を散布してくれます。最近の機種はGPSで自分の位置を把握し、風の影響を計算して散布量を自動で調整する機能まで備わっているものもあります。
ある実験では、従来の方法に比べて農薬の使用量を約20%も減らせた、というデータもあるほど。
これは、環境への配慮はもちろん、大切な農薬のコスト削減にも直結します。
まさに、一石二鳥ですね。
1-3. 「危ない」から、「安心」へ
水田のぬかるみや、畑のデコボコした地面を歩きながらの散布作業は、常に転倒のリスクがつきものです。特に、傾斜のきつい棚田などでは、「ヒヤリ」とした経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
ドローン散布なら、リモコンで操作するので安全な場所を選んで農薬散布が行えます。
また、農薬を直接吸い込んでしまう心配もぐっと減るので、健康面での安心感も大きいですよね。
「長年、農薬を吸い込んできたせいか、どうも体調が…」というような農家さんの声を耳にすることもありますが、ドローンはそうした健康リスクを減らすお手伝いもしてくれるのです。
2. ドローン農薬散布を始めるための準備について
「ドローンの良さは分かったけど、やはり資格とか、難しい手続きが必要なんでしょ?」
そうですよね、新しい機械を導入するとなると、その点が一番気にかかるかもしれません。
確かに、ドローンで農薬をまくためには、いくつかの資格や許可が必要です。
でも、ご安心ください。あなたが想像しているほど、ハードルは高くないんです。
2-1. 必要な資格
農業用のドローンを飛ばすには、次のどちらかの資格が必要になります。
- 国家資格(二等操縦士)
・目視外飛行(レベル3)を行う場合に必要。
・目視内での飛行のみなら取得は必須ではない。
- 民間認定資格
・農薬散布用ドローンは多くの場合、民間資格の取得が前提となっている。
・安全な操作や農薬取扱の知識を学ぶため、実質的にはほぼ必須。
「パソコンもろくに触ったことがないのに、ドローンの資格なんて取れるわけが…」と、不安に思われるかもしれませんね。
でも大丈夫。研修の多くは、まさにそのような機械操作に自信がない方向けに、基礎の基礎から丁寧に教えてくれるプログラムになっています。
実際に研修に参加される方の多くは、50代、60代の農業者の方々で、「思っていたよりずっと簡単だったよ!」「これなら自分にもできる」という声が、あちこちから聞こえてくるんです。
研修期間は、約2~3日。
座学でルールや知識を学び、実技で実際にドローンを操作する練習をします。
費用は研修機関によって少し異なりますが、10万円から15万円くらいが目安です。
嬉しいことに、多くの自治体では、この研修費用の一部を助成してくれる制度を設けています。
まずは、お住まいの地域の役場(農政課など)に、「ドローンの資格を取りたいんだけど…」と、気軽に問い合わせてみるのがおすすめです。
2-2. 必要な手続き
資格の他にも、ドローンで農薬をまくためには、いくつか守らなければならないルール(許可や申請)があります。
- 空の安全を守るための許可・承認(航空法):例えば、人が多く住んでいる地域の上空を飛ばす場合や、ドローンが自分の目で見えないくらい遠くまで飛ばす場合、農薬(危険物)を輸送する、物件を投下する(農薬を散布する)場合は、事前に国(国土交通省)への申請が必要です。
- ドローン本体の「ナンバープレート」(機体登録):100g以上の重さのドローンは、車と同じように、国(国土交通省)に登録することが義務付けられています。
初めてだと、「なんだか書類がいっぱいで難しそう…」と感じるかもしれませんね。
でも、心配はいりません。
ドローンを販売している会社の多くや、お近くのJAでは、これらの申請手続きを「まるっとお任せください!」とサポートしてくれるサービスを用意しています。
「書類仕事は苦手でねぇ…」という方も、こうしたプロの手を借りれば、スムーズに準備を進められますよ。
2-3. 必要ではないが保険の備えを。
忘れてはならないのが、保険への加入です。
万が一、ドローンが落ちてしまったり、誰かや何かにぶつかって損害を与えてしまったり…そのような「もしも」の事態に備えるのが保険の役割です。
多くの農業団体では、ドローン専用の総合保険への加入を強く勧めています。
年間の保険料は、ドローンの価格やどれくらい使うかにもよりますが、約5万円から10万円くらいが一般的です。
「保険なんて、お金がもったいないよ」と思われるかもしれません。
でも、考えてみてください。
もし、散布中の農薬が風に流されて、お隣さんの大切な作物にかかってしまったら?
もし、操作を誤ってドローンが建物にぶつかってしまったら?
そのような時、保険に入っていれば、金銭的な負担はもちろん、精神的な負担も大きく減らすことができます。
「あの時、保険に入っていて本当に助かった…」という事例は、決して少なくないのです。
安心を買う、という意味でも、保険は非常に大切な備えです。
3.ドローンで農薬散布をしたい方へ
さて、ここまでドローンによる農薬散布の魅力と必要なことをお伝えいたしました。
「人手不足」「高齢化」「過酷な作業」…日本の農業が抱える課題は、決して小さくありません。
しかし、ドローンという新しい技術は、そのような厳しい状況を乗り越え、農業の未来に新たな可能性を切り拓く、まさに「翼」のような存在になり得ると、私たちは信じています。
もちろん、新しいことを始めるには、勇気が必要です。不安もあるでしょう。
でも、この記事でお伝えしたように、ドローン導入のハードルは、あなたが思っているよりもずっと低いのかもしれません。
ドローンマスターズスクールでは、埼玉・茨城・栃木・千葉4つの教室で無料説明会を実施しています。気になる方はまずはお気軽にご相談ください。
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