ドローン点検のメリットを解説!安全・効率・コスト削減を実現!

ドローンスクール 点検 インフラ

 

目次
ドローンによる点検とは?
主な点検用途
1.インフラ点検
2.建物・設備点検
3.送電線・鉄塔点検
4.プラント・工場施設点検保守
5.測量

 

ドローンによる点検とは?

ドローンによる点検は、従来の点検方法と比較して、効率的で安全かつ高精度な点検が可能になる
技術です。ドローンは、高所やアクセスが難しい場所に簡単に到達でき、従業員のリスクを減らし、迅速にデータを収集することができます。近年では、さまざまなインフラや設備、建物などの点検に活用されるようになっています。

ドローン点検は、ドローンを活用して高所やアクセスが難しい場所にあるインフラや設備の点検を行う方法です。従来の点検作業に比べ、迅速で安全かつ高精度なデータ収集が可能であり、特に高所や危険な場所での作業を回避できるため、安全性が大きく向上します。

ドローン点検では、高解像度カメラ赤外線カメラLiDAR(レーザー距離計)センサーを搭載したドローンを使用し、点検対象の細かな亀裂や腐食、熱異常などを詳細に確認できます。これにより、目視では見逃しがちな問題を早期に発見でき、予防保全に役立ちます。特に送電線、鉄塔、煙突、橋梁など、従来は高所作業車やクレーンが必要だった点検が、ドローンを使うことで安全かつ迅速に行えるようになりました。

また、ドローン点検の時間効率も大きなメリットです。ドローンは自動で飛行し、広範囲を素早く点検できるため、従来の手作業に比べて作業時間を大幅に短縮できます。これにより、点検作業が迅速に終わり、予定通りのスケジュールで作業を完了させることができます。

さらに、ドローン点検はコスト削減にも貢献します。従来の点検方法では高額な設備や人件費がかかりましたが、ドローンを使うことでそのコストを大幅に抑えることが可能です。結果として、定期的な点検を行いやすくなり、設備の長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。

このように、ドローン点検は、安全性、効率性、精度、コストの面で優れたメリットを提供し、今後さらに多くの分野での導入が進むと予想されています。

ドローン点検2

主な点検用途

1.インフラ点検

橋梁… 亀裂・腐食・塗装の劣化などの可視化
・トンネル… 照明・ひび割れ・水漏れの確認(狭所対応ドローン)
・高架道路・高速道路… 側壁・橋脚の点検(人が立ち入りにくい場所も可能)
・送電線・鉄塔… 絶縁部品や腐食、損傷の確認(長距離飛行に対応)
・ダム・堤防… 水漏れ、変形、ひび割れ確認(3Dマッピングも可)
・ガス・水道管線… 地上からの赤外線やレーザーで地下の異常を推測

インフラ点検でのドローンを使用するメリットは?

・安全性の向上…高所作業や危険エリアへの立ち入りが不要
・コスト削減…足場を組んだり作業車を出す必要がなくなる
・作業時間の短縮…点検にかかる日数が数時間〜1日に短縮されることもあります
・高精度なデータ取得…高解像度カメラ、赤外線、LiDARで正確なデータ取得が可能
・記録の自動化・デジタル化…3Dモデル化、AIによる異常検出も可能になります。

 

2.建物・設備点検

ビルの外壁… クラック、ひび割れ、汚れ、塗装の劣化などの確認
・屋根… 破損、瓦のズレ、汚れ、苔の発生、雨樋の詰まり
・煙突や排気管… 錆、破損、詰まり、煙突内部の状況確認
・ソーラーパネル… 発電効率の低下を示す障害、破損、汚れの確認
・工場設備・配管… 配管の腐食、クラック、漏れ、設備の状態確認
・貯水タンク・貯油タンク… 錆やひび割れ、漏れの確認、外壁状態のチェック
・屋上の設備(HVACなど)… 空調設備、機械装置の劣化や異常、積もったゴミなど

建物・設備点検でのドローンを使用するメリットは?

・安全性の向上…高所作業が不要で、足場や高所作業車の設置を避けられるため、作業員の安全を確保できます。
・コスト削減…ドローンを使うことで、従来の足場やクレーンを使う必要がなくなり、作業費用が大幅に削減されます。
・スピードアップ…高所や広範囲の点検を効率よく行うことができ、点検時間を大幅に短縮できます。これにより、定期点検や緊急点検の際にも迅速に対応できます。
・高精度なデータ取得…高解像度カメラや赤外線カメラを使用することで、肉眼では見逃しがちな細かな劣化や異常を発見できます。
・詳細な記録と可視化…ドローンの映像を基に3Dマッピングやモニタリングを行い、劣化の進行具合や異常部分の特定が容易になります。
・継続的なモニタリング…ドローンは定期的に点検を行うことで、劣化や異常の早期発見を助け、メンテナンスのタイミングを最適化できます。

事例

・ビルなど外壁点検の際
外壁のタイルが割れている部分や、ひび割れがある箇所を発見するために、ドローンを使用。また、ドローンに搭載した赤外線カメラを使用して、建物内部の温度異常を発見することもあります。

・屋根点検の際
瓦の割れやズレをチェックし、汚れや苔の発生も赤外線で確認することが可能です。
ソーラーパネルの発電効率が落ちている場合、赤外線で効率低下を示す部分を即座に見つけることができます。

 

3.送電線・鉄塔点検

◇送電線
ケーブルの損傷(切れ、摩耗、断線など)
絶縁部品の異常(腐食、割れ)
風や天候による影響(ケーブルのたるみ、振れ)
周辺の障害物の確認(木や建物の侵入など)

◇鉄塔
鉄塔の腐食(サビや塗装の剥がれ)
・構造的なひずみや歪み
アンテナや支柱部分の損傷
塗装の劣化
絶縁部の異常(絶縁体の破損や汚れ)
ボルトやネジの緩み(接続部分の緩みや脱落)

送電線・鉄塔点検でのドローンを使用するメリットは?

・安全性の向上
送電線や鉄塔の点検は高所作業を伴うため、作業員にとって大きな危険を伴います。ドローンを使うことで、人命を守りつつ点検作業を進めることができます。
・高所作業のリスク回避…ドローンは足場や作業車を使用することなく、送電線や鉄塔の上部まで接近でき、リスクを大幅に削減できます。

・効率性とコスト削減
送電線や鉄塔の点検には通常、クレーンやヘリコプター、作業員を高所に上げるための手間がかかりますが、ドローンを使うことで点検時間が大幅に短縮されます。
・効率的な飛行…ドローンは事前に設定したルートを自動で飛行し、1回の飛行で多くの点検箇所を網羅できます。
・コスト削減…ドローンによる点検は、高額な機材(クレーン車やヘリコプター)の使用が不要なため、コストを削減できます。

・高精度なデータ収集
ドローンには高解像度カメラ、赤外線カメラ、LiDARなど、さまざまなセンサーが搭載されており、肉眼では確認できない細かな部分までデータを収集することができます。
赤外線カメラでの温度差解析や異常検出
高解像度カメラでの物理的な損傷(クラックや腐食)の確認
LiDARを用いた3Dスキャンで、構造の歪みやひずみの測定

定期的な監視と予防保全
ドローンは定期的な監視に活用できるため、送電線や鉄塔の劣化や異常を早期に発見し、事前に対応できます。これにより、停電や設備の故障を防ぐことができます。

事例

◇送電線
赤外線カメラを使って、送電線の温度異常を検出。温度が異常に高い部分は、接触不良やショートの兆候かもしれません。
高解像度カメラで、ケーブルの摩耗や断線の兆候を見つけ、即座にメンテナンスが必要な場所を特定。

◇鉄塔
LiDARスキャンを使用して、鉄塔の歪みやひずみを正確に測定し、劣化が進んでいる部分を可視化。
赤外線で絶縁体や配電機器の温度を測定し、異常があれば事前に対応。

 

4.プラント・工場施設点検保守

◇プラント資設
ボイラー、タービン、熱交換器構(造のひび割れや腐食、漏れ、クラックなどを点検)
貯蔵タンク(錆、腐食、漏れ、塗装の剥がれなどをチェック)
配管やバルブ(亀裂、腐食、摩耗、詰まりの確認。特に高温・高圧の配管は要チェック)
煙突や排煙設備(目視では確認しにくい内部や高所部分の点検)

◇工場施設
屋上設備(HVAC、冷却塔など)冷却塔の劣化、空調設備の不具合、積もったゴミや汚れの確認)
高架コンベアや搬送設備(劣化や異常な振動、摩耗のチェック)
設備の腐食や錆(鉄製の構造物や配管部分の点検)
煙突や排気ファン(煙突内の異常や内部の確認。特に高温環境下の劣化部分の発見。)

送電線・鉄塔点検でのドローンを使用するメリットは?

・安全性の向上
プラントや工場施設では、危険な場所や高所での作業が多いため、ドローンを使うことで作業員の安全を確保できます。たとえば、煙突やタンク内部、高所の点検などをドローンが担うことで、事故や怪我のリスクを減少させます。
危険な場所に立ち入らずに点検可能…高温・高圧の配管、煙突内部、足場が組みにくいエリアの点検もドローンなら安全に行えます。

・効率化とコスト削減
ドローンによる点検は非常に迅速で、従来の手作業に比べて数倍速く終わります。特に工場のように広い施設であれば、ドローンを使うことで広範囲を短時間でカバーできます。

迅速な点検作業 ドローンは自動飛行やGPSを利用して効率的に点検範囲をカバーでき設備の数が多い場合でも素早く点検を完了できます。
コスト削減 足場や作業車を用意する必要がなく、作業員を高所に上げることも不要となるため、コストを大幅に削減できます。

・データ精度と可視化
ドローンに搭載された高解像度カメラや赤外線カメラを使うことで、目視では気づきにくい問題も発見できます。加えて、ドローンで収集したデータを3Dモデルや画像で可視化できるため、状態の確認や異常箇所の特定がしやすくなります。
赤外線カメラで温度異常を検出し、熱漏れや劣化を発見。
高解像度カメラで表面のひび割れや腐食を詳細に確認。

・デジタル化と記録保持
点検のデータをデジタル化することで、過去の点検結果と比較したり、長期的なメンテナンス計画を立てたりできます。点検した映像や写真をデータとして保存し、問題のあった箇所をすぐに特定できるようにすることができます。

事例

・プラント配管点検
配管が老朽化しており、外部に露出している箇所の腐食や亀裂を赤外線カメラで検出。内部に漏れの兆しがあれば、温度の変化として検出可能。

・煙突点検
高所に設置された煙突をドローンで周囲から撮影。表面のひび割れや腐食を高解像度カメラでチェック。
内部の温度異常を赤外線カメラで確認し、異常が発生する前にメンテナンスを実施。

・屋上設備点検
冷却塔や空調設備に溜まった汚れやゴミをドローンが撮影。設備の腐食や劣化が進んでいる箇所を発見し、早期に修理や交換を行う。

 

5.ドローンでの測量

ドローンを使った測量は、非常に人気が高まっており、建設、農業、土木、地理情報システム(GIS)など、多岐にわたる分野で活用されています。従来の測量方法と比べて、ドローンを使用することで、時間の短縮、コスト削減、安全性の向上、そして精度の高いデータ収集が可能になります。

ドローンを使った測量は、主に以下の方法で行われます

・フォトグラメトリ(Photogrammetry)
これは最も一般的なドローン測量の手法で、ドローンが空撮した画像を使って、地形や対象物の3Dモデルを作成する方法です。カメラを搭載したドローンが複数の角度から写真を撮影し、それを解析ソフトで処理して、ポイントクラウドや3Dモデルを生成します。

・LiDAR(Light Detection and Ranging)
LiDARはレーザーを使って対象物までの距離を測定する技術で、特に高精度の点群データを取得することができます。フォトグラメトリでは捉えにくい詳細な地形や障害物(樹木の間、密集した植生下など)も測定することができます。

・RTK(Real-Time Kinematic)・PPK(Post-Processed Kinematic)
RTKやPPKは、ドローン測量において、より高精度な位置情報を取得するための技術です。RTKはリアルタイムで誤差を補正する方法、PPKは後処理を通じて精度を高める方法です。

測量でのドローンを使用するメリットは?

・時間の短縮
従来の測量方法(地上での測定やトータルステーション、GPS測量)では、広範囲を測量するのに非常に多くの時間と労力が必要ですが、ドローン測量では数時間で広大なエリアをカバーできます。

・コスト削減
従来の測量方法では、測量機材や人員、車両、足場などが必要になりますが、ドローンを使うことで、コストを大幅に削減できます。特に、広い範囲を測量する場合、ドローンの方が圧倒的に経済的です。

・安全性の向上
高所や危険な場所での測量が不要になり、作業員の安全を確保できます。ドローンが代わりに危険な場所でデータを収集するため、事故のリスクを減らすことができます。

・高精度なデータ取得
ドローンに搭載された高解像度のカメラやLiDARセンサーを使うことで、従来の方法では捉えにくい詳細なデータを取得できます。例えば、土木工事の前後で地形の変化を精密に測定することができます。

・アクセスが難しい場所の測量
ドローンを使用すれば、アクセスが困難な場所や高所、広大な農地などでも簡単に測量を行うことができます。特に山岳地帯や海岸線、広大な農地の測量には最適です。

事例

・ドローンを使用して広大な農地の画像を撮影。これにより、作物の成長具合や土壌の状態を把握し、適切な灌漑や施肥計画を立てることができます。

・ドローンを使って土地の形状や周囲の状況を詳細に把握し、施工計画や進捗管理に役立てることができます。また、建物の高さや位置関係を正確に測定できるため、設計変更などにも柔軟に対応できます。

まとめ

ドローン点検は、従来の点検作業と比べて安全性・効率性・コスト面で多くのメリットがあります。
高所や危険箇所の点検も短時間で行えるため、現場の負担軽減にもつながります。
今後さらに進化が期待できるドローン技術を、ぜひ現場の課題解決に活用してみてください。

この記事を書いた人

鏑木 芳彦 鏑木 芳彦