【2025年最新】農業用ドローン補助金一覧|個人農家・農業法人向けに種類・条件・申請方法を徹底解説

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目次

  1. はじめに
  2. なぜ今、農業用ドローンに補助金が活用されているのか?
  3. 【国が主導】農業用ドローンに使える主要な補助金制度

3-1. スマート農業加速化実証プロジェクト

3-2. みどりの食料システム戦略推進交付金

  1. 【地域別】見逃せない!都道府県・市町村の補助金制度
  2. あなたに最適な補助金は?ケース別選び方ガイド

5-1. ケース1:省力化を目指す個人農家・小規模農家の方

5-2. ケース2:経営の効率化・規模拡大を目指す農業法人の方

5-3. ケース3:新しい技術に挑戦したい若手・新規就農者の方

  1. 補助金申請の5ステップと採択率を高める3つのコツ

6-1. 補助金申請の基本5ステップ

6-2. 採択率を高める3つのコツ

  1. 補助金はスタートライン。ドローン導入を成功させる真の鍵
  2. まとめ

1. はじめに

「人手不足が深刻で、作業が追いつかない…」
「もっと効率よく、収益を上げられないだろうか?」

多くの農家の皆さんが抱える、切実な悩みではないでしょうか。

その解決策として注目されるのが農業用ドローンです。
しかし、導入にはコストがかかるのも事実。

この記事では、その負担を大幅に軽減できる「補助金」に焦点を当て、あなたのスマート農業への第一歩を力強く後押しします。

2. なぜ今、農業用ドローンに補助金が活用されているのか?

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日本の農業は今、高齢化や後継者不足という大きな課題に直面しています。あなたも、日々の作業の中で人手の重要性を痛感する場面は少なくないでしょう。こうした状況を打開し、将来にわたって安定的に食料を供給していくために、国は「スマート農業」を強力に推進しています。

スマート農業とは、ロボット技術やICT(情報通信技術)を活用して、超省力化や高品質生産を実現する新しい農業の形です。そして、その主役ともいえるのが「農業用ドローン」なのです。

ドローンは、広大な圃場での農薬や肥料の散布、種子の播種、さらには生育状況のデータ収集まで、これまで多大な労力と時間を要した作業を、驚くほど効率的にこなします。これは、単なる作業の効率化に留まりません。データを活用することで、作物の状態に合わせたきめ細やかな管理が可能となり、収量や品質の向上、ひいては経営全体の改善へと繋がります。

国が補助金を出してまでドローン導入を後押しするのは、個々の農家の経営を助けるだけでなく、日本の農業全体の生産性を高め、国際競争力を強化するという大きな目的があるからです。つまり、あなたが補助金を活用することは、自身の経営を豊かにすると同時に、日本の農業の未来に貢献することでもあるのです。

参考:

3. 【国が主導】農業用ドローンに使える主要な補助金制度

それでは、具体的にどのような補助金があるのでしょうか。まずは、全国の農家が対象となる国の主要な制度から見ていきましょう。ここでは代表的な2つの制度をご紹介します。公募時期は年度によって変動するため、公式サイトでの確認が不可欠です。

3-1. スマート農業加速化実証プロジェクト

この制度は、スマート農業技術を実際の生産現場に導入し、その効果を実証することを目的とした大規模なプロジェクトです。

  • 目的: 最先端のスマート農業技術(ドローン、ロボットトラクター等)を生産から出荷まで一貫して導入・実証し、技術の普及と横展開を図る。
  • 対象者: 複数の農業者や民間企業、研究機関等が連携した「コンソーシアム(共同事業体)」が基本となります。個人で申請するのではなく、地域の生産者グループやJA、民間企業などと連携して取り組むイメージです。
  • 対象となるドローンの要件: プロジェクトの目的(例:精密な農薬散布、センシングによる生育状況の可視化など)を達成できる高性能な機体が求められます。実証する技術体系の中で、ドローンがどのような役割を担うのかを明確にする必要があります。
  • 補助対象経費: ドローン本体の購入費やリース費、実証に必要なソフトウェア、指導費用など、プロジェクトに必要な経費が幅広く対象となります。
  • 補助率・上限額: プロジェクトの規模や内容によって異なりますが、定額または定率(例:1/2以内など)で、数千万円から数億円規模の大型プロジェクトが採択されるケースもあります。
  • ポイント: 「実証」が目的のため、ドローンを導入してどのような課題を解決し、どのような経営改善効果があったかをデータで示すことが求められます。

3-2. みどりの食料システム戦略推進交付金

この交付金は、環境への負荷を低減する持続可能な農業への転換を後押しするものです。

  • 目的: 化学農薬や化学肥料の使用量削減、有機農業の拡大など、環境に配慮した農業への取り組みを支援する。
  • 対象者: 地域の複数の農業者で組織する団体や、市町村、JAなどが主体となります。こちらも個人単独ではなく、地域ぐるみでの取り組みが基本です。
  • 対象となるドローンの要件: 「ピンポイント農薬散布」や「可変施肥(生育状況に応じて肥料の量を調整する)」など、環境負荷低減に直接貢献する機能を持つドローンが対象となりやすいです。例えば、ドローンで撮影したセンシング画像を元に、病害虫が発生している場所だけに農薬を散布する、といった活用方法が考えられます。
  • 補助対象経費: 環境負荷低減に資するドローンや関連機器の導入費用、土壌分析費用、専門家からの指導料などが対象です。
  • 補助率・上限額: 事業内容によって異なりますが、補助率は1/2以内などが一般的です。
  • ポイント: 「みどりの食料システム法」に基づく認定を受けた農業者は、採択審査で有利になる場合があります。環境保全への貢献度を事業計画で明確にアピールすることが重要です。

これらの国の制度は、地域農業のリーダーや、新しい技術に意欲的な農業法人が中心となって活用するケースが多いです。もしあなたが個人農家であっても、「自分の地域でもこんな取り組みができないか」と、JAや地域の仲間、あるいは市町村の農政担当者に相談してみる価値は十分にあります。

参考:

4. 【地域別】見逃せない!都道府県・市町村の補助金制度

国の大きなプロジェクトだけでなく、もっと身近な自治体レベルでも、農業用ドローン導入を支援する動きが活発化しています。むしろ、個人農家や小規模な農業法人の皆さんにとっては、こちらの方が活用しやすいケースが多いかもしれません。

多くの都道府県や市町村では、独自の予算で以下のような補助金制度を設けています。

  • スマート農業導入支援事業
  • 次世代農業推進事業
  • 担い手育成・経営安定化事業

これらの名称は様々ですが、内容は「地域の農業者がスマート農業機械(ドローンを含む)を導入する際に、経費の一部を補助する」という点で共通していることが多いです。

では、どうやって自分の地域の補助金を見つければよいのでしょうか?

最も確実な方法は、以下の2つのアクションです。

  1. インターネットで検索する: 「〇〇県 農業用ドローン 補助金」や「△△市 スマート農業 助成金」のように、「あなたの地域名」と関連キーワードを組み合わせて検索してみましょう。自治体の公式サイトや、地域のJAのページが見つかるはずです。
  2. 直接問い合わせる: あなたの地域の市役所や町役場の「農政課」「農業振興課」といった担当部署に、直接電話で問い合わせてみるのが一番の近道です。「農業用ドローンの導入を考えているのですが、市で使える補助金はありますか?」と聞いてみましょう。担当者が親切に教えてくれるはずです。

自治体の補助金の特徴

  • 身近で相談しやすい: 担当者の顔が見え、気軽に相談できるのが最大のメリットです。
  • 地域の実情に合っている: その地域の主要な作物や農業の課題に合わせて制度が設計されていることが多いです。
  • 国の制度との併用: 条件によっては、国の補助金と併用できる場合もあります(ただし、同じ経費に対して複数の補助金を受け取ることはできません)。

国の制度は少しハードルが高いと感じた方も、ぜひ諦めずにご自身の地域の制度を探してみてください。意外なほど手厚い支援が見つかるかもしれません。

5. あなたに最適な補助金は?ケース別選び方ガイド

ここまで国の制度と地域の制度を見てきましたが、「結局、自分はどれを使えるんだろう?」と感じている方も多いかもしれません。そこで、あなたの状況に合わせた補助金の選び方のヒントを、ケース別にご紹介します。

5-1. ケース1:省力化を目指す個人農家・小規模農家の方

  • 最優先で検討すべきは「市町村・都道府県の補助金」です。
  • 理由: 申請の窓口が身近で、手続きに関する相談がしやすいからです。また、個人の農業者を対象とした制度が多く用意されています。まずは役場の農政担当者に相談することから始めましょう。
  • チェックポイント:
    • 個人でも申請可能か?
    • あなたの作っている作物が対象になっているか?
    • 補助率や上限額はいくらか?
    • 「小規模事業者持続化補助金」なども、販路開拓等の取り組みと合わせてドローン導入を計画に盛り込める可能性があります。

5-2. ケース2:経営の効率化・規模拡大を目指す農業法人の方

  • 「都道府県の補助金」と「国の補助金(特に『みどりの食料システム戦略推進交付金』など)」の両方を視野に入れましょう。
  • 理由: 法人格を持つことで、より大規模な補助金の対象となる可能性があります。特に、環境配慮型の農業や、地域全体への貢献を計画に盛り込むことで、国の制度の採択率が高まります。
  • チェックポイント
    • 地域の他の農業者や企業と連携して申請できるか?(コンソーシアム形成)
    • ドローン導入によって、どれだけのコスト削減や収益向上が見込めるか、具体的な数値で示せるか?
    • 環境負荷低減など、社会的な意義をアピールできるか?

5-3. ケース3:新しい技術に挑戦したい若手・新規就農者の方

  • 「市町村の補助金」と、もしあれば「新規就農者向けの支援制度」を組み合わせて検討しましょう。
  • 理由: 新規就農者向けの支援は、機械導入だけでなく経営全般をサポートしてくれるものが多く、手厚い支援が期待できます。経営基盤が固まるまでの初期投資を抑えることが重要です。
  • チェックポイント
    • 新規就農者であることが、申請の加点項目になっていないか?
    • 農地や機械のリースに対する補助制度はないか?
    • 技術習得のための研修費用なども補助対象にならないか?

どのケースにも共通して言えるのは、「なぜドローンが必要なのか」「ドローンを導入して経営をどう改善したいのか」という目的を明確にすることです。これが、後述する事業計画書の質を高め、採択への道を切り拓きます。

6. 補助金申請の5ステップと採択率を高める3つのコツ

補助金申請のステップ

補助金を見つけたら、次はいよいよ申請です。

手続きは複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つのステップを確実に進めれば大丈夫です。
ここでは、一般的な申請の流れと、採択されるための重要なコツをお伝えします。

6-1. 補助金申請の基本5ステップ

  1. 情報収集・相談: 公募要領を熟読し、制度の目的、対象者、補助対象経費、スケジュールを正確に理解します。不明な点は、必ず担当窓口に相談しましょう。この段階で、ドローン販売店から見積書やカタログを取り寄せておくことも重要です。
  2. 事業計画の策定: これが最も重要なステップです。なぜドローンが必要で、導入後にどのような効果が見込めるのかを具体的に記述した「事業計画書」を作成します。
  3. 申請書類の提出: 事業計画書や見積書など、公募要領で定められた書類をすべて揃え、指定された期間内に提出します。提出方法(郵送、電子申請など)も必ず確認しましょう。
  4. 審査・採択: 提出された事業計画書は、専門家などによって審査されます。審査期間は補助金によって様々です。無事に審査を通過すると「採択通知」が届きます。
  5. 交付・事業実施: 採択後、正式な交付決定を経て、ドローンの購入・導入を進めます。事業が完了したら、実績報告書を提出し、補助金が支払われます。注意点として、原則として「交付決定前」に購入したものは補助対象外となることを覚えておきましょう。

6-2. 採択率を高める3つのコツ

  1. 事業計画書に「物語」を描く: ただ「農薬散布を楽にしたい」と書くだけでは不十分です。「現在、高齢化により夫婦2人で〇〇haの圃場管理に限界を感じており、特に夏場の防除作業には毎年〇〇時間かかっている。ドローン導入により、この作業時間を〇〇%削減し、空いた時間で付加価値の高い作物の栽培に挑戦したい」というように、現状の課題、解決策、そして未来の展望を、審査員が情景を思い浮かべられるほど具体的に書きましょう。
  2. 費用対効果を「数字」で示す: 審査員は、税金が有効に使われるかをシビアに見ています。「ドローン導入に300万円かかります」というだけでなく、「この300万円の投資によって、年間〇〇万円の農薬代削減、〇〇万円の人件費削減、そして収量増による〇〇万円の増収が見込まれ、約〇年で投資回収が可能です」というように、投資効果を具体的な金額で示すことが極めて重要です。
  3. 加点項目を徹底的に狙う: 公募要領には、審査で有利になる「加点項目」が示されていることがよくあります。「若手・女性農業者」「有機JAS認証を取得している」「地域の複数の農家と連携している」など、様々な項目があります。自身が該当するものを漏らさずチェックし、事業計画書の中で積極的にアピールしましょう。

これらのコツは、いわば審査員との対話です。
あなたの熱意と計画の具体性が伝われば、採択の可能性はぐっと高まります。

7. 補助金はスタートライン。ドローン導入を成功させる真の鍵

無事に補助金が採択され、念願の農業用ドローンを手に入れたとします。しかし、本当のゴールはそこではありません。補助金はあくまでスタートライン。ドローンという最新の道具を使いこなし、あなたの経営を本当に豊かにしてこそ、真の成功と言えるでしょう。

導入を成功させるためには、特に重要な3つの鍵があります。

  1. 目的に合った機体選定: 補助金の対象になるからといって、オーバースペックな機体を選んではいませんか? あなたの圃場の広さ、作物の種類、そして「何を解決したいのか」という目的に最適なドローンを選ぶことが重要です。散布がメインなのか、センシングもしたいのかによって、必要な機能や性能は大きく異なります。
  2. 安全運用のための操縦技術習得: ドローンは便利な道具であると同時に、一歩間違えれば重大な事故につながりかねない飛行物体です。国の制度も変わり、今や安全な運用知識と操縦技術の習得は、ドローンを扱う者の義務とも言えます。自己流の操作は非常に危険です。
  3. 万が一に備える保険加入: どれだけ注意していても、事故のリスクをゼロにすることはできません。対人・対物賠償責任保険への加入は、自分自身と周囲の人々を守るために必須です。多くの補助金で、保険加入が交付の条件となっている場合もあります。

特に重要なのが、2つ目の「操縦技術習得」です。補助金の対象となるような高機能なドローンは、その性能を最大限に引き出し、安全に運用するために、専門的な知識と技術が不可欠です。

そこで、あなたのドローン導入を成功へと導く、信頼できるパートナーが必要になります。

補助金の対象となる高機能なドローンを安全に、そして最大限に活用するためには、正しい知識と操縦技術の習得が不可欠です。まずは、お近くの信頼できるスクールで、どのようなスキルが学べるのか確認してみませんか?

全国のドローンマスターズスクール一覧はこちら

8. まとめ

農業用ドローンと補助金は、あなたの農業経営を未来へ導く強力な翼です。この記事を参考に、最適な補助金を見つけ、具体的な事業計画を立ててみてください。そして、ドローン導入という大きな一歩を踏み出し、スマート農業による豊かで持続可能な経営を実現しましょう。専門家のサポートも活用しながら、ぜひこのチャンスを掴んでください。

ドローンマスターズスクールの詳細

■ドローンマスターズスクールの特徴や国家資格制度について、さらに詳しく知りたい方は当スクールの「無料説明会(ドローンセミナー)」に是非ご参加下さい!

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この記事を書いた人

中山 慶一 中山 慶一

ドローンマスターズスクール運営元 株式会社モビリティテクノ ドローン事業部統括部長 2017年からドローン業務に従事し外注案件及び新規スクールの開校を手掛けています。