【2025年最新】農業用ドローン価格完全ガイド | 機種別比較と資格取得の重要性

農薬散布 ドローンスクール ドローンマスターズスクール DJI 農業

農業の現場を大きく変えるドローンの導入。
高齢化や人手不足の解決策として注目される一方、価格や維持費の情報が不足しています。
この記事では、最新の価格情報から選定ポイントまで、導入を検討中の方に必要な情報を徹底解説します。

目次

1.農業用ドローンの価格帯と種類

1-1.価格帯による分類

1-2.最新機種の価格動向(2025年)

2.主要メーカー・機種の特徴と価格比較

2-1.DJI AGRASシリーズ比較表

2-2.国産ドローンメーカーの特徴

3.農業用ドローン導入の総コスト分析

3-1.初期費用の内訳

3-2.維持費・ランニングコスト

3-3.運用コスト試算例

4.農薬散布ドローンの保険と法的リスク対策

4-1.農業用ドローン保険の種類

4-2.無保険飛行のリスク

4-3.適切な保険選びのポイント

5.農業用ドローン操縦に必要な資格と取得方法

5-1.必要な資格・免許

5-2.資格取得の流れとコスト

5-3.ドローンマスターズスクールの資格コース

6.農業用ドローン導入の成功事例

6-1.水稲栽培での労働時間削減事例

6-2.導入時の重要ポイント

まとめ

1.農業用ドローンの価格帯と種類

農業用ドローンは主に100万円〜300万円の価格帯に分布しています。価格差を生む主な要因は積載量、散布能力、飛行時間、およびセンシング機能の違いです。

1-1.価格帯による分類

初心者向け(100万円前後)
小規模農家やドローン導入初期に適した機種で、DJI AGRAS T10などが該当します。積載量は5〜10L程度、飛行時間は約10分前後で、1haあたりの作業効率を重視した設計になっています。

中級者向け(150万円〜200万円)
中規模農家や請負業務にも対応できるDJI AGRAS T30などの機種です。30Lの液剤または40kgの粒剤を積載でき、1回のフライトで約2haをカバーできます。本体価格は約170万円(税抜)で、バッテリーや充電器などを含めると200万円前後になります。

プロ向け(200万円〜300万円以上)
大規模農家や農業支援サービス事業者向けの高性能機種です。DJI AGRAS T50は約170万円(税抜)、T25は約145万円(税抜)で、散布効率や安定性に優れています。オプション装備を含めると300万円近くになるケースもあります。

1-2.最新機種の価格動向(2025年)

最新のDJI AGRASシリーズでは、T50が高度な飛行安定性と最大40リットルの液剤積載が可能で、T25はT50と同等の機能をよりコンパクトなボディに搭載し、価格を抑えたモデルとなっています。

2.主要メーカー・機種の特徴と価格比較

農業用 ドローン 価格

2-1.DJI AGRASシリーズ比較表

機種名

価格(税抜)

積載量

作業効率

特徴

T10

約100万円

液剤10L/粒剤16kg

約1ha/飛行

コンパクトで扱いやすい入門機

T25

約145万円

液剤20L/粒剤25kg

約2ha/飛行

中小規模向け高コスパモデル

T30

約170万円

液剤30L/粒剤40kg

約2ha/飛行

中・大規模向け標準モデル

T50

約170万円

液剤40L/粒剤50kg

約4ha/飛行

大規模向け最上位モデル

 

DJI AGRAS T30は業界標準機種として広く普及しており、安定性と効率性のバランスに優れています。T50は2023年に発売された最新モデルで、従来機種より大幅に性能が向上し、特に大規模農業や果樹園での作業に適しています。

2-2.国産ドローンメーカーの特徴

海外メーカーに比べて本体価格は高めですが、国内サポート体制の充実や日本の農業環境に合わせたカスタマイズが可能な点が特徴です。マゼックス社の「飛助」シリーズは本体価格が約100万円〜250万円で、アフターサポートの手厚さに定評があります。

3.農業用ドローン導入の総コスト分析

農業用ドローンの導入では、本体価格以外に様々な付随コストが発生します。総コストを正確に把握することが、適切な投資判断につながります。

3-1.初期費用の内訳

本体価格: 100万円〜300万円
必須アクセサリー: 予備バッテリー(1個あたり約10万円)、充電器、輸送ケースなど(合計約30万円〜50万円)
トレーニング費用: 操縦技術講習(約15万円〜30万円)
保険料: 約5万円〜20万円/年(機体価格や使用状況により変動)

3-2.維持費・ランニングコスト

バッテリー交換: 使用頻度により年1〜3回の交換(約10万円/回)
定期メンテナンス: 年間約10万円〜30万円
修理費用: 故障・事故時の修理(平均約20万円/回)
ソフトウェアアップデート: 無料〜有料(メーカーにより異なる)

3-3.運用コスト試算例

50haの水稲栽培における農薬散布をドローンで行う場合の5年間総コスト

  • 初期投資(本体+付属品): 約250万円
  • 維持費(5年間): 約150万円
  • 運用コスト(人件費等): 約200万円
  • 総コスト: 約600万円(1haあたり年間約2.4万円)

従来の動力噴霧器による農薬散布と比較すると、労働時間を約60〜80%削減できる事例もあり、特に10ha以上の規模ではコスト面でも優位性が見られます。

4.農薬散布ドローンの保険と法的リスク対策

農業用ドローンの運用には様々なリスクが伴い、適切な保険加入は経営を守る重要な対策です。

4-1.農業用ドローン保険の種類

機体保険(動産総合保険) 

ドローン本体や付属機器の損害を補償する保険です。操縦ミスによる墜落、火災、水没、盗難など様々なリスクをカバーします。保険料は機体価格により異なり、年間約5万円〜15万円が一般的です。

例えば、東京海上日動の機体保険では、DJI AGRAS T30クラス(保険金額約240万円)の場合、年間保険料は約18,000円〜59,000円(プランにより異なる)となっています。

賠償責任保険 

第三者への人身・物損事故に対する補償を行う保険です。農薬の飛散(ドリフト)による近隣作物への被害も補償対象となるケースが多く、年間約5,000円〜12,000円程度で加入できます。

4-2.無保険飛行のリスク

農業用ドローンの事故で第三者に損害を与えた場合、高額な賠償責任が発生する可能性があります。特に農薬散布時の薬剤飛散による被害は深刻なケースがあり、賠償額が数百万円に達することもあります。

また、無人航空機損害賠償責任保険(通称:ドローン保険)の加入が、一部の飛行許可申請で必須条件となるケースもあります。

4-3.適切な保険選びのポイント

  1. 使用状況に合わせた保険選び: 散布作業が主な場合はドリフト補償が充実した保険を選ぶ
  2. 補償範囲の確認: 機体損害だけでなく、第三者賠償や捜索費用も含まれているか
  3. 免責金額の設定: 小さな事故は自己負担することで保険料を抑える

5.農業用ドローン操縦に必要な資格と取得方法

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農業用ドローンの操縦には、一般的なドローン操縦技術に加え、農薬散布に関する知識・技術が必要です。適切な資格取得は安全運用の第一歩です。

5-1.必要な資格・免許

無人航空機操縦者技能証明(国家資格)
2022年12月より施行された航空法改正により、特定の条件下での飛行には国家資格が必要となりました。国家資格は経験者の証明となるため、DJIなどが提供する専門資格をお得に受講することができます。

DPA認定資格(民間資格)
一般社団法人 ドローン操縦士協会(DPA)が認定する民間資格です。民間資格も国家資格と同様に経験者の証明となるため、DJIなどが提供する専門資格をお得に受講することができます。

農薬散布のための資格
農薬の適正使用や散布技術に関する専門知識を習得するための資格です。DJIなどが提供する「UTCコース」や「農業ドローン技能認定証」などがあります。

5-2.資格取得のコスト

取得費用の目安

  • 国家資格(二等無人航空機操縦者技能証明): 約15万円〜40万円
  • DPA認定民間資格: 約20万円〜30万円
  • 農薬散布専門資格(UTCコース): 約20万円〜25万円

5-3.ドローンマスターズスクールの資格コース

ドローンマスターズスクールでは、国家資格取得コースから農業用ドローン専門コースまで幅広く提供しています。特にアグラス野田校は農業用ドローン専門校として、実践的な技術習得が可能です。

DJI UTC(Unmanned Aerial System Training Center)認定校でもあり、農業用ドローンの世界最大手であるDJI AGRASシリーズの正規トレーニングが受講できます。

6.農業用ドローン導入の成功事例

農業用ドローン導入による具体的な効果を、実際の事例から見ていきましょう。

6-1.水稲栽培での労働時間削減事例

山口県長門市の株式会社長門西では、集落営農法人連合体としてドローン防除事業を展開。令和3年度は延べ300haの農薬散布を実施し、中山間地の水田での効率的な防除を実現しました。従来の動力噴霧器による作業と比較して、労働時間を約60〜80%削減しています。

また、馬場ファームの事例では、中山間地域での液肥散布作業が、動力噴霧器では30〜60分/10aを要していたのに対し、ドローンでは10分/10aに短縮されました。体力消耗も大幅に減少し、高齢農業者の負担軽減に貢献しています。

 

6-2.導入時の重要ポイント

成功事例から見る導入のポイントは以下の通りです:

  1. 適切な機種選定: 栽培規模と作業内容に合った機種を選ぶ
  2. 十分な訓練: 操縦技術の習得に時間をかける
  3. 段階的導入: 小規模から始め、徐々に拡大する
  4. メンテナンス体制: 定期的な点検・整備の仕組みを作る
  5. 地域連携: 複数農家での共同利用や作業受委託の検討

参考情報源:

まとめ

農業用ドローンは価格と性能を比較し、自身の経営規模に合った機種を選ぶことが重要です。資格取得と適切な保険加入を忘れず、安全かつ効率的な農業経営に活用しましょう。

ドローンマスターズスクールの詳細

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ドローンマスターズスクール一覧

DMS茨城つくば校
DMS茨城笠間校
DMS埼玉浦和校
DMS栃木宇都宮校
DMS東京足立校
DMS千葉野田校(農薬散布ドローン専門)
DMS東京秋葉原校

 

この記事を書いた人

中山 慶一 中山 慶一

ドローンマスターズスクール運営元 株式会社モビリティテクノ ドローン事業部統括部長 2017年からドローン業務に従事し外注案件及び新規スクールの開校を手掛けています。