はじめに
ドローンに必要な2つの申請
ドローンの運用を行うには、基本的に機体登録と飛行許可・承認の申請が求められます。これらの申請は、ドローンの種類や使用目的、飛行場所によって変わるため、各種申請の具体的内容を確認しておくことが重要です。DIPS2.0にアクセスし、アカウントを作成することでこれら2つの申請が可能になります。
【ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)】
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
①機体登録
②飛行許可・承認の申請
例えば、飛行するエリアが人口集中地区かどうかなど、特定の条件によっては申請が不要な場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。では、これら2つの申請についてそれぞれ確認してみましょう。
ドローンの「機体登録」申請
ドローンを飛ばすためには、まず機体登録が必要です。特に重量が100g以上のドローンは、国土交通省への登録が法律で義務付けられています。
登録が行われていない場合、その機体を飛ばすことはできません。ただし、100g未満のドローンについては登録が求められないため、少しだけ異なる扱いとなります。重量が100g以上のドローンは機体登録をすることで、上空でそのドローンの識別が可能になり、トラブルを避ける手助けとなります。
機体登録が必要な機体
機体登録が必要なのは、主に100g以上のドローンです。この重量基準は、航空法によって定められています。登録が無い場合には、飛行を行うことが禁じられており、違反した際には厳しい罰則が適用される可能性もあります。
【違反行為】
・登録を受けていない無人航空機を飛行させたとき
【罰則】
・1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
100g未満の機体は登録不要ですが、この場合でも飛行場所の制限がかかることが多いので注意が必要です。
機体登録の申請先について
ドローンの機体登録は、国土交通省が運営するドローン情報基盤システム(DIPS2.0)の「無人航空機の登録申請へ」を通じて行います。作成したアカウントでログイン後、必要な書類を準備し、オンラインまたは郵送で申請する方法が一般的です。
全国どこでも利用可能なこのシステムは、利便性が高いため多くの利用者に支持されています。確認したい書類などは、国土交通省の公式ホームページで見つけることができます。
【DIPS2.0】航空法に基づく無人航空機関係手続きの一覧
機体登録に必要な情報や持ち物
機体登録には、特定の情報と本人確認書類が必要です。具体的な情報としては、機体の製造番号やタイプ、製造業者の情報が挙げられます。
また、国土交通省のドローン情報基盤システムにアクセスし、必要な情報や本人確認書類を自分で用意する必要があります。ユーザーは事前に準備を整えておくことで、申請がスムーズに進むでしょう。
機体登録の流れ
機体登録は、いくつかの手順を経て行われます。まずは下記の必要な情報や持ち物を準備します。
【必要な情報】
・所有者情報
・機体情報
・使用者情報
【本人確認書類】
・マイナンバーカード
・運転免許証
・パスポート
・上記以外の本人確認書類
必要な情報や持ち物が揃ったら、オンラインでSTEP1~5の手続きを行い、結果の確認を行います。
STEP1:DIPSアカウントの作成とログイン
↓
STEP2:機体の登録
↓
STEP3:手数料の納付
↓
STEP4:登録記号の確認
↓
STEP5:リモートID機器等への書込み
この流れを把握しておくことで、手続きが円滑になります。郵送の場合は、送付先や必要書類を十分にチェックしておくと良いでしょう。
ドローンの「飛行許可・承認」申請
ドローンを飛ばす場所によっては、飛行許可や承認が求められます。特に空港周辺や人口密集地区など、特定の地域では申請が必須とされています。
ドローンの飛行許可・承認は、国土交通省が運営するドローン情報基盤システム(DIPS)の「飛行許可・承認申請へ」を通じて行います。作成したアカウントでログイン後、オンラインまたは郵送で申請する方法が一般的です。
これには、飛行の方法や場所、目的別に異なる申請が必要です。周囲の状況や規制に応じた手続きを行うことが、円滑な飛行運用に繋がります。
【DIPS2.0】航空法に基づく無人航空機関係手続きの一覧
飛行カテゴリー決定のフロー図
飛行許可・承認が必要かどうかは、フロー図を使って確認できます。このフロー図では、ドローンを飛行する方法や場所をもとに、必要な申請が明示されるため、状況に応じた対応が可能となります。特に周辺の制限を考慮することは重要で、慎重な判断が求められます。
許可・承認の申請手順について
許可・承認を受けるための申請手順には下記のSTEP1~4があります。作成したアカウントでログイン後、通常はオンラインで情報を入力し、必要な書類を提出します。
STEP1:無人航空機情報、操縦者情報の登録
↓
STEP2:飛行許可・承認申請
↓
STEP3:申請書の審査
↓
STEP4:許可書・承認書の発行
国土交通省がそれを審査し、許可・承認されると申請結果が通知されます。各手順を確実に踏むことが、迅速な審査につながります。
許可・承認にかかる日数
許可承認にかかる日数は、提出した書類の内容や申請方法によって変わります。通常は数日から数週間の範囲で、複雑な場合はさらに時間がかかることも考えられます。
・カテゴリーⅡ飛行(10 開庁日前)
・カテゴリーⅢ飛行(20 開庁日前)
特に国土交通省への確認が必要な場合、内容のチェックが行われるため、余裕を持ったスケジュールが推奨されます。
「個別申請」と「包括申請」
飛行許可の申請には、個別申請と包括申請の2種類があります。
【個別申請】
個別申請は、特定のフライト毎に申請を行う方法です。
趣味で飛ばす人の場合はこの方法で申請します。
【包括申請】
包括申請は同じ申請者が一定期間内に繰り返し、継続して飛行を行う場合に、それらをまとめて申請する方法です。
申請者がビジネス目的でドローンを利用する場合に適用されます。
利用目的や予定に応じて、どちらの申請が適切かを考慮する必要があります。
国家資格・民間資格で申請が不要・省略できるケース
ドローンの飛行許可は、国家資格・民間資格を持つことで申請が簡単になる場合があります。
特に、国家資格である無人航空機操縦者技能証明を取得していると、特定の条件下で許可・承認申請がさらに省略されることがあるため、資格を取得することのメリットを見直す良い機会です。
このような資格があることで、よりスムーズな飛行が実現します。
飛行申請が不要になるケース
フロー図でも確認できますが、特定の条件を満たした場合、飛行申請が不要になることもあります。それは、以下の条件がすべて満たされた場合のみです。
・ドローンの飛行ルートの下やその周辺に第三者が立ち入らないよう「立入管理措置」を講じる
・ドローンの総重量が25kg未満
・一等資格または二等資格の取得
・第一種または第二種機体認証の取得
・「特定飛行」の中でも、「人口集中地区(DID)上空」「夜間」「目視外」「人やものとの距離が30m未満」のいずれかに該当
また、特定飛行の制限も緩和されるケースがあるため、事前に確認しておくと安心です。ただし、すべての条件を満たす必要があり、注意が必要です。
飛行申請の一部が省略できるケース
フロー図でも確認できますが、特定の条件を満たした場合、飛行申請の一部が省略できることがあります。それは、以下の条件がすべて満たされた場合のみです。
・ドローンの飛行ルートの下やその周辺に第三者が立ち入らないよう「立入管理措置」を講じる
・ドローンの総重量が25kg未満
・一等資格または二等資格の取得
・第一種または第二種機体認証の取得
・「空港周辺」「150m以上の上空」「催し場所上空」「危険物の輸送」「物件投下」のいずれかに該当
*国土交通省航空局ホームページ掲載の講習団体で受講した上で技能認証(=民間資格)を受けた場合も、2025年12月4日までは同様に省略可能。
これにより、手続き面での負担が軽減され、効率的な飛行が可能になるかもしれません。
飛ばす場所に関する許可申請が必要な例と申請方法について
ドローンを運用する際、一般的な飛行申請だけでなく、特定の条件や地域においても様々な申請が必要とされる場合があります。特に都市部や特定の施設周辺では、法律や条例に基づいて厳しい制限が設けられることがあります。
飛行前に必要な手続きを確認し、すべての規制に従って運用することが大切です。これにより、予期せぬトラブルを回避し、安全にドローンを利用することが可能となります。
「小型無人機等飛行禁止法」で定められた敷地・区域での飛行
小型無人機等飛行禁止法により、特定の敷地・区域、たとえば重要施設や空港の近くでは、飛行に対する許可が必要です。無許可での飛行は法律違反となり、罰則を受ける可能性があります。
このため、必要な証明書を持つことや、所定の手続きを経ることが重要です。また、警察署や施設の管理者など関連機関との連絡を怠らないよう注意しましょう。
道路上で離発着を伴う飛行
交通の妨害となるような方法で物をみだりに道路に置く行為を行うことは禁止されています。そのため、私有地以外の道路からドローンを離発着する場合、道路使用許可が必要となる。
河川・海岸での飛行
河川や海岸でドローンを飛ばす際にも、特定の許可が必要です。これらの地域では個別の手続きが求められ、国土交通省が発行する一覧を参考にして、飛行可能な区域を確認することが重要です。
飛行予定地の管理制限をチェックし、それに基づいた手続きが必要となるため、事前の準備が欠かせません。
海上での飛行
海上でのドローン飛行には制限が少ないですが、飛行する区域が
船舶交通の安全に支障を及ぼす恐れがある場合は、管轄の港長または海上保安監部・海上保安本部に申請して許可を得る必要があります。
郵送による申請もあり、地図や飛行予定内容を含めた申請書類を準備することが重要です。適切に書類を整えることで、スムーズな許可取得が可能となります。
公園内での飛行
公園内でドローンを飛ばす場合、特別な飛行許可が必要になることがあります。日本国内の多くの公園では、利用者の安全やプライバシーの観点から制限が設けられています。
必要な書類を整えておくことで、スムーズに飛行できるよう心掛けることが大切です。事前にドローン飛行が可能かどうかを公園の管理者に確認してください。
国有林での飛行
国有林でのドローン飛行には、特に注意が求められます。一般的には林野庁からの確認を受ける必要があり、飛行ルールに従って操縦することが求められます。
この際、場合によっては入林届が必要となり、事前の手続きを怠らないことが重要です。確認手続きが完了すれば、国有林内での飛行は可能となります。
私有地の上空での飛行
私有地の上空でドローンを飛ばすには、所有者からの飛行許可が必須です。撮影や調査を行う場合、それに対する内容や目的を伝える明確な書類が必要です。
許可を得ることで、私有地での飛行が可能になり、不必要なトラブルを避ける手助けにもなります。適切な手続きを行うことで安心して飛行を楽しむことができるでしょう。
都道府県・市区町村の条例で定められている場合での飛行
地域ごとに設けられた条例や制限が、ドローン飛行に関与することがあります。利用する場所や方法によっては、特に注意が必要で、事前に問い合わせを行うことが必要です。
国土交通省からの情報を基に、条例の内容を確認することで、禁止区域を把握し、安全に運用することが大切です。
ドローンの飛行申請について知っておきたいこと
ドローンを安全に飛ばすためには、飛行申請が不可欠です。特に許可が必要な場合や特定の条件が存在しますので、事前に確認することが重要です。
申請なしで飛ばした場合の罰則や規制についても把握しておくことで、予期しないトラブルを避けることにつながります。必要な手続きを十分に理解し、適切に運用することで、安心してドローンの利用が可能になります。
飛行申請の内容が不十分だった場合、申請が通らないことがあります。その場合は、求められる修正内容を確認し、適切に修正を行って再提出することが必要です。
特に特定の条件を満たすことが求められる場合、その内容をしっかり理解しておくことで、次回の申請がスムーズに進む可能性が高まります。
飛行申請せずに無許可で飛ばした場合の罰則
飛行許可を得ずに小型ドローンを無許可で飛ばした場合、国土交通省から厳しい罰則が課せられることがあります。禁止されている地域での飛行や、適切な手続きを怠った場合には法律違反と見なされ、処罰対象となる恐れがあります。
自身の安全はもちろん、周囲への影響も考慮し、必ず飛行前に必要な許可を得ることが重要です。
屋内で飛行する場合
屋内においては、ドローンの飛行は基本的に許可が不要で行えます。閉じた空間は通常の飛行エリアと異なり、周囲への影響が少なく、一般的な規制から外れることが多いためです。
屋内での運用では、周りのスペースに留意し、周囲の人々に配慮することが推奨されます。
100g未満のドローンを飛行する場合
100g未満のドローンに関しては、通常の飛行許可を取得する必要がありません。ただし、地域によっては、特定の条件を満たす場合でも制限が課されることがあります。
目視外飛行や夜間の運用など、安全性に影響を与える可能性がある飛行方法には、注意が必要です。飛行する場所や方法によっては確認が必要ですので、事前に調査を行うことが求められます。
ドローンを十分な強度の紐(ひも)などにより係留して飛行する場合
ドローンを係留して飛ばす際は、特に許可が不要とされています。この方法で飛行する場合、目視外での運用や夜間の飛行といった特殊な方法でも、必要な手続きを省略することができます。
ただし、飛行する範囲や十分な強度を有する紐(ひも)の管理には配慮が求められ、禁止区域に近づかないようにすることが非常に重要です。
おわりに
ドローンの飛行に関する申請は、法律や規制を遵守するために非常に重要です。特に、重量100g以上の機体は登録が必要で、無許可で飛ばすことはできません。そのため、事前に必要な許可を確認し、適切に手続きすることが求められます。
また、特定の条件を満たせば、例えば100g未満のドローンを使う場合や、屋内での飛行では多くのケースで飛行許可は不要となります。さらに、国家資格を持つ者が操縦する場合や、農薬散布を目的とする際にも特別な取り扱いが必要で、これらの要件をしっかり守ることが不可欠です。
ドローンを飛ばす際は、自身の意図する活動に対して適切な手続きを行い、安全を第一に考えた運用を心がけましょう。特に飛行許可・承認を受けた飛行(特定飛行)は注意が必要で、条件を遵守しながら責任を持って運用することが大切です。
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